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狂おしいほど好きなこの世界  作者: ルケア


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研究所で自己紹介

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「ですので、この文字の意味は、こうなると言う事です。恐らくですが。まだ研究段階なので、何とも言えない所ではあるのです」


「いや、少しでも進歩するのは良い事だ。なるほど。では、こちらとの関連もあるのか?」


「そこはまだ研究の段階ですね。良い感じの魔法が作れれば話は早いのですが……」


「仕方があるまいよ。魔法を作ることが出来るのは、名誉な事だ。簡単には作れない」


「そうだな。もっと簡単に魔法が作れれば話は早いんだが……」


 そんな会話をしているのが、研究室だ。ここには5人の技師たちが居る。皆が皆、研究の成果を発表しているようにも見える。……これが本来の姿だとは思う。そもそも、独立して研究をするよりも、協力して研究をした方が早いのだ。独占した方がうまい研究もあるだろうが、そうすれば、共同研究に負ける。早さも重要視されるのだ。画期的なアイディアも、複数の場所から出てくる場合もあるのだよ。そうした場合、共同研究の方が早いため、大抵そちらに取られてしまう。


「皆さま、少しばかりよろしいでしょうか? 新しい技師を連れてまいりました。皆さんの助けになると思います」


「フレイルです。よろしくお願いします」


「……小さいですね。それで技師ですか。しかも平民ですか? 珍しいですね」


「だな。平民の技師なんて初めて聞いた……って訳ではないが、まあ、普通に向いてないって奴が多いのが本音だな」


「ですね。研究に向いていない人では駄目でしょうが、どうせ首都からの左遷でしょう。左遷すると言う事は、ある程度は出来たと言う事になります。わたしたちの仲間には良いのではないでしょうか? わたしは良いと思いますよ?」


「俺も大丈夫だ。まあ、向いてなかったらそれまでなんだろうが、その前にちゃんと話は聞かないといけないだろうな」


「まあ、そんなに警戒すんなよ。儂たちもそこまで変じゃないからな。向こうのは変なのしか居なかっただろう? 大体常識のある奴はこっちに飛ばされるんだ」


「皆さんには言っておきましょうか。既に彼は独自の魔法陣を制作し終えています。既に王都の研究室級の実力者ですよ」


「流石にそこまでではないですよ。魔法陣なんて解れば誰でも作れるものなんですから」


「いいえ、ちょっと待って。魔法陣が誰でも作れるなんて思ってもらっては困るわ」


「だな。僕も困るよそれは」


「ですね。わたしも作れませんし」


「即戦力かよ。……これは、俺らも運が向いてきたか?」


「王都級か。それは凄いな」


「えっと? まず聞きたいんですが、何故に魔法陣を作れないのかが解らないのですが……」


「色々とすり合わせることもあるでしょう。私はこれで失礼します。十分に語り合ってください」


「そうね。まずは自己紹介といきましょうか。うちはメイダリア=ベルンスト。よろしくね」


「僕はケルト=エインデル。君を歓迎しよう」


「儂はモッテス=ハイルテン。なんでも聞いてくれ」


「俺はコートーベン=ポッカ。まあ、ここには貴族出身しか居ないからな。でも、楽にしろよ?」


「わたしはエイデリア=キッテン。平民でも、魔法が作れるのなら歓迎するわ」


「えっと、私はフレイルです。それで、魔法が作れないって事なんですが……。普通に作れますよね? 何故に作れないのですか?」


「それについてはこっちが聞きたいわね。何故作れるのか。何か作った魔法はある?」


「そうですね。今まで作ってきた魔法はこれになるんですけど……」


「……何? この数……」


「多すぎるな。なんだこの魔法?」


「四角の魔法陣なんて有りなの?」


「まあ、読む限りは、何とかなりそうだな」


「でも、これどうなの? ちょっと意味が解らないんだけど」


 まあ、意味が解らないものもあるとは思うが、魔法陣は普通に作れるのだ。難しく考えなければいいだけの話。組み合わせの問題だ。単純な数学、いや、これは算数の分野か? 詳しい事は解らないが、要するに、文章を形に合わせて作るだけなのだ。無駄な文章を書くこともあるし、必要最低限削れない部分もあるのだが、そこまで難しいものではないのである。まあ、まずはそこからすり合わせていくとしてだな。とりあえずは、魔法陣を簡単に作れると言う事を説明しなければならない。


 と言う事で、講義になってしまったが、簡単に説明を終えた。法則があり、それに従えば、円形でなくても普通に魔法は発動する。そもそも共通項がある6つの基礎の魔法陣があるのだから、それを読み解けばいいだけの話。そこまで難しく考えるものではない。と言う事を散々と説明したのだが、案外難しいのか? 図形と角度の問題だと思えば、そこまで難しくも無いのだが……。


「と言う事で、これを組み合わせると、こうなり、これに沿って文字を配列すれば、ある程度は魔法は発動します。それを元に、効率的に配置を考えたり、そもそもの図形を見直すことによって、魔法自体の効率化を図るんです。それで、現状で最高効率なのが、これに当たるんですが、まあ、皆さんも解っている通り、今では使われていない文字があるので、それを使わないと、最高効率の魔法は作れないと思うんですよね。だから、それを研究するために、技師になったんですが……」


「図形と、文字列の関係性……。なるほどね。そうなっていたのね」


「と言う事は、これが属性に当たる文字だと。で、四角のこれは風属性なのか……」


「畑を耕すためだけに、これを考えるのか?」


「いや、普通は無理だろ。だが、聞けばなんとなくだが、解って来たな」


「わたしも、今なら何とか自分で魔法陣を作れそうね」


「なので、効率を無視すれば、ある程度の魔法は作れるんですよ。そこから効率を良くしていくのが面倒なだけでして。適当な魔法陣でも魔力さえあれば、何とかなってしまうんですよね。効率化の為には、文字を読まないといけない訳ですが、皆さんは何処まであの文字を読めてます?」


「あの文字ね……。まあ、皆で何とか頑張って20個くらいは読んだわよ? 読んだというか、意味を類推しただけだけどね」


「ああ、やっぱりそうなりますよね。と言う事で、これが向こうの書物の写本になりまして、これがこの文字の意味を表した辞書になるんですけど、これ以外がどうしても研究不足で読めなかったんですよね。というか、汎用文字は読めるんですが、専門用語はどうしても資料が足りないというか、実地試験が必要というか」


「そもそもこれが意味を持つって解っていて研究を進めていたのか? 幾らなんでも早過ぎじゃないか?」


「そうですね。流石にちょっと、これは……」


「まあ、意味を表すだろうと思って研究していた訳ですが。まあ、大体は合っていると思いますよ? 難しい文字は解らないので、ちょっとずつ実験を重ねていかないといけないかとは思うんですが、汎用的な文字については、この辞書で大体は網羅していると思うんですよね。誤読している箇所もあるかもしれないですが」


 表意文字を知らないで、ちゃんと研究が出来ている時点で異常だとは思うがな。私は表意文字を知っていたから、最初からその研究が出来たのであって、何もない所から始めるのであれば、表意文字だと言う事に気が付くまでには、膨大な時間がかかる。それを見つけている時点で敬意を表しないといけないと思う訳だ。流石は技師だ。良く解っている。後は、向こうが読み解いた文字と、こちらが読み解いた文字が被っていなければ、一気に研究が進むとは思う。読めない文字が読める様になれば、魔法を作成するのに障害が無くなることを意味するからな。

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