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農業用魔法を広めよう

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「魔法の事は解った。だが、まずはこれを説明してくれ。これはなんだ?」


「農業に必要な魔法陣集ですが、何か?」


「中身じゃない。この白い紙はなんだ?」


「それは植物紙ですね。まあ、実際に植物から作った訳ではなく、魔法で作ったんですが。ただ、工程が面倒なので、植物から作ることはおススメしません。出来なくはないですが、大量生産しようと思うと、非常に面倒なので。なので、作るとしても魔法ですね。魔法の方が何かと便利に作れますからね。それが基本になるとは思います。ただ、既存のインクでは滲むので、黒鉛を使った書くものが必要になります。ですが、それは余り普及させない方がよろしいとは思います。作るには、思った以上の魔力を使いますからね。研究所で羊皮紙の代わりに使うのは良いですけど、残しておきたい書類なんかは、羊皮紙にインクの方が良いですよ? そうじゃないと、この紙に書いた文字は消えるので。擦ったりしたら消えてしまうんですよね。なので、保存用には向かないとは思います。あくまでも、落書きや覚書きの為に使うものだと思ってください。そうじゃないと、畜産業のメリットが消える事にもなりますからね。羊皮紙の方が保存には適している訳ですよ。この紙は、あくまでも下書きや、無くなっても良いものについて使う方が良いでしょうね」


「ふむ……。紙が出来ることは解った。それと、確かに簡単に破れそうだ。これでは保存したい資料には向かないか。それに消せるというのも問題だな。羊皮紙は少しくらいでは消えないからな。ふむふむ。そうなると、量産しても余り良い事はないか」


「量産するならしても構いませんけど、インクの作り方も変わりますからね? インクが滲まない様にするには、インクの作り方も変えないといけないです。消えない様にするのであれば、そこから研究ですね。まあ、魔法で出せるようにするだけなんですが。ですが、それをすると、羊皮紙の値段が一気に下がります。それは望むところではないので、植物紙に関しては、この代官屋敷で使うだけにしておいて欲しいですね。使うのであれば、魔法陣を書いておきますが?」


「落書きするには丁度いい。作り方と魔法陣を書いておいてくれ。それと、この耕す魔法は何故に四角なのだ? 魔法陣とは円形では無いのか? これで普通に発動が可能なのかどうかを知りたい。何故に四角にした?」


「魔法陣の形はどうでもいいんですよね。円形なら円形の、四角なら四角の魔法陣を書けばいいので。書くこと自体は簡単なんですよ。なので、作りたい魔法があれば、ある程度の魔力を許容するのであれば、作ることは可能なんですよ。で、農地ってのは四角い方が良いんです。丸い土地なんて少ないんですよ。家の近くなんかで使う場合は、どうしても四角の方が便利で良いんですよね。なので四角にしました。丸で作れと言われれば、作り変えることは出来ますが、多分ですけど、耕すにしても、丸だと面倒ですよ? 自分たちで耕さないといけない場所が増えるだけになるとは思うので」


「……既に魔法陣の構造まで弄れることに驚きを隠せないのだが、まあ、良いか。とりあえずは、解った。この魔方陣を広めれば良いのだな? 後は、内職として鉄を作る魔法陣とあるが、鉄は鉱山から採掘するものだぞ?」


「鉄は魔法で作れます。土属性魔法の応用ですね。畑を耕している時は作れないですが、水やりや草抜きをしている時であれば、魔力は余りますよね? そういう時に、村で鉄を作るんですよ。そうすれば、村から鉄が取れると言う事になります。そうなれば、拠点の重要度が上がりますよね? 鉱山でも無いのに、鉄が取れると、良い事づくめじゃないですか。だから、内職で鉄を作って貰うんですよ。町にくれば売れるんですし、大量にあれば、良いものじゃないですか。錆びると言っても、錆びても鉄は鉄ですし。まあ、酸化しているだけなので、酸素を取り除く魔法を使えば、鉄の錆びは取れるんですよ。そうして鉄も大量に鍛冶師の所に集まれば、鉄製品だって普通に使える様になります。鉄製品は便利ですからね。今までは多大な費用をかけて作っていたのかもしれないですが、ある程度の値段で作れるようになります。まあ、暫くすると鉄の過剰供給にはなるとは思うんですが、そうなってくれば、外に輸出すれば良いんですよ。どうやっても領地にお金が流れてくるようになるんです。それくらいは出来ても良いでしょう?」


「あのなあ。普通に鉄を作る魔法を見せれば、首都に居られたんだぞ? お前はそれで良かったのか? 向こうに居た方が、色々と出来ることがあったんじゃないか?」


「無能のために頑張るのは違うじゃないですか。何とかしようと足掻いている人の為に魔法は使うべきですよ。そもそも鉄を作る魔法なんて簡単なんですから、誰でも作れるんですよね。読める文字しか書いてないでしょ? だから誰でも作れるし、使えるんですよ。そういう魔法を作って来たので」


「あー。まあ、お前さんの事については、考えるのは止めるか。自由にやらせて欲しいって事なんだな? それで良いんだな?」


「そうですね。自由にやらせてもらえればとは思います」


 自由にやらせてくれ。研究というのは、方向性を決めては駄目なのだ。行政が方向性を決めると、碌な事にならない。研究者に自由に研究をやらせるのだ。それで、良い研究があれば、報いればいい。大抵名誉か金だが、金はそもそも行政が出すべきなのだ。研究者を操るなんて考えてはいけない。自由にやらせて、成果だけ貰っていけば良いのである。だから、その研究には金をしっかり出せばいい。研究なんて、10年や20年で結果が出ない事なんてザラにあるのだ。何代も何代も重ねて結果が出ることもある。研究に金をケチるようでは意味がないのだよ。どんな研究が役に立つのかは、その時になってみないと解らないのだから。


 とりあえずはこれで良し。これで次の春からは、寒村でも忙しくなるぞ。何処も種麦から足りないだろうが、そのくらいは行政が出してやれば良いのだ。最初の手助けくらいはしても構わないだろう。そこからは競争だ。どれだけ食料が作れるのかで、飼える家畜の数が決まってくるからな。始めは鶏で慣れた方が良いとは思う。牛とは全然違うとは思うが、こういう感覚なのだと言う事を解らなければならないからな。


 そして、ゆくゆくは大きく大きくなった畑を見て、どう思うかだな。これで満足なのか、人口を増やしてでももっと畑を耕すのか。その辺は各村の意見を尊重する。そこまで決めてやる道理は無いからな。自分たちで道を切り開いで行けばいいのだ。エツタ村もそうしているからな。道筋は作ってやる。だが、その道を拡張するなりして歩くのは、村人自身だからな。こちらが全部をやってやるわけには行かないのだ。自分たちで出来ることを考えなければ、寒村から脱出したとしても、豊かな村にはならない。まあ、最終的には行政からの梃入れは必要だとは思うがな。


 さて、次は研究室だ。こっちの研究室はどうなっているんだろうな? 何をしているんだろうか。それが疑問だ。こっちにも技師は居る。首都を追い出された技師たちが居る。その人たちとは、しっかりと交流しないといけないと思っている。まずは何を成すのかを決めないといけないとは思うが、方針は大体決まっている。町を豊かに、何処の町よりも豊かに。そういう方針で行こうと思っているのだよ。出来ることからやればいいのだ。

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― 新着の感想 ―
鉄を作る魔法を開発した頃から気になってたけど魔力で物質を作ってるなら どこかで物質を魔力に変換する存在がいないと星の質量が増大するのでとても大変 な事になるのは理解してるんですよね?この主人公は研究者…
2025/07/24 22:47 通りすがった
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