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転生して5歳になりました

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「(……ここは、何処だ? 碌に目が見えない。音もよく聞こえない。だが、意識はある。失敗したわけでは無さそうだ。となると、どうしたものか……)」


 口から暖かいものが流れてくる。……これはもしかすると、赤ん坊になったのか? 赤ん坊でも良いが、ここが異世界だという保証がない。魂だけ飛んだ場合は、このような事も起きるとは思っていた。しかし、そうなると、地球でもう1度生を受けた可能性もある。異世界だと確実には言えない。いや、私の実験は完璧の筈だ。ならばここは異世界なのだろう。異世界に転生をしたと言う事になる。


「(暫くは幼児の真似事をしなければならないか。まあ、それも仕方がなかろう。ゆくゆくは、この世界の真理を追求していく。それで良かろうなのだ)」


 時間はたっぷりとある。今度は間違った科学を正すことなく、正しい科学を学ぶことが出来ることを願っている。まあ、こちらの文明が科学を使っているのかどうかは解らないが。世界が違うのだ。法則も同じとは限らないと言う事である。全てが違う可能性があるのだ。そうだ。1から学び直す必要があるのかもしれない。科学とは違う何かがあるのかもしれない。それを極めるのはどうだろうか。


 この世界にも科学と同じように、発展している物があるだろう。今度はそれを追い求めるのだ。並行世界の真髄を、私が見てやろう。そうだ。そのためには、無事に大きくならなければならない。少なくとも5歳くらいまでは成長しないといけないだろう。そこからどう扱われるのかは、解らない。だが、いい方向に動く可能性はある。……勿論、悪い方向に動くこともあるだろう。それは解っている。だが、出来ることをやろうではないか。この世界を楽しみ尽くそうではないか。誰もが羨む事を成し遂げたのだからな。私の理論は完璧だったのだ。それが証明された今、私は全ての事柄から開放されたと思ってもいい。時間はたっぷりとある。それを有効的に使っていこうではないか。


 そして、時は流れ、私は5歳になった。この世界は異世界で確定だ。この5年間見てきたこと、聞いてきたこと、全てが違う。まずは言語。聞いた事もない言葉だった。両親から聞こえてくる言葉、祖父母から聞こえてくる言葉、兄弟姉妹から聞こえてくる言葉、全てが主要な外国語とは違うのだ。……これだけならどこぞの民族の可能性はあった。だが、この文明は魔法文明だ。家で当たり前のように使われる魔法。明かりを灯すのも魔法なのだ。蝋燭を使う訳でもない。確かに魔法を使っている。科学とは違う、何かがあるのだ。それを知った時、私は凄く興奮したのを覚えている。感動したといってもいい。未知に溢れているのだ。


「フレイルも5歳になったから、明日からは教会に行って、皆と一緒に勉強をして来ないといけないね。しっかりと勉強してくるんだよ?」


「そうね。将来的に何になるのかは解らないもの。しっかりと勉強するのよ?」


「解っております。父さん、母さん。私もしっかりと勉強したいと思っております」


「うーん。良い事なんだけど、ちょっとね?」


「そうね。勉強に興味を持つことは良い事なんだけど……」


 まあ、そうだろうな。この年頃の子供の事を考えれば、勉強よりも遊びたいと言う事が一般的だろう。だから両親も私が勉強をしっかりとしたいと言う事に戸惑っているのだろうとは思う。だが、勉強は必須だ。何をするにしても勉強は欠かせない。特にこのような寒村ならなおさらだ。……私は寒村で生まれたのだよ。兄弟姉妹も居る。だが、所詮は労働力として産み育てられる存在なのだ。それ程に寒村とは厳しい状況にある。


 簡単に言えば、生まれは農家だったのだ。だが、税とその日暮らしの食料で限界と言えば、どの程度の状況か解るだろう。労働力を増やして、生産性を向上させるしかないのだ。そのための子供であり、私は7人兄弟の6番目、4男として生を受けた。兄や姉は既に農業の手伝いをしていることも多いのだよ。つまりは、遊ばせておく人材は居ないと言う事なのだ。


 それでも、冬は厳しくなく、夏もそこまで暑くはない。四季があることは確認しているが、極端な気候ではない。そのお陰で、子供が死ぬと言う事は少ない。それは幸いと言っても良いのだろうとは思う。だが、村の敷地が決まっている関係で、外に出て行かなければならない兄弟も、また存在すると言う事なのだ。……私も、どちらかと言えば、出て行かなければならない人種ではあるだろう。その時のために、少しでも知識を蓄えておかなければならない。


 2度目の人生は、フレイルという少年になったのだ。故に、使命も何もない。私はこの生を謳歌する。そう決めているのだ。魔法とは何か。それを極めようと思っている。何処まで出来るのかは知らない。解らないことだらけだからな。それでも、難しい事だとは思わない。科学もしっかりと勉強してきていたのだ。これからも、それを続ければ良い。誰に何を言われようが、積極的に行えばいいのである。失敗する事もあるだろう。寧ろ失敗の連続だろうとは思う。それで良いのだ。限界を決めてはいけないのだよ。努力をし続け慣れればならない。私の今生は、始まったばかりなのだから。


 そういう訳で、今日からは教会で勉強だ。教会は神の使いである修道者が詰めている場所だ。神の存在は信じられているらしい。こんな寒村にも派遣できるくらいには、人員も沢山居ると言う事なのだろう。勉強を教え、魔法を教え、その代わりに糧を得るのが修道者だ。多くは居ない。だが、1人以上はどんな場所だろうが配置されているのだそうだ。教会の勢力は大きいと言う事になる。もしかしたら、国よりも大きな組織なのかもしれない。


「さて、今日もお勉強を始めましょうか。木の枝を持って、地面に文字を書きましょう。まずは自分の名前が書けないといけません。何をするにも、名前が必要になってきます。復習ですからね? 毎日同じ事をやることが、覚える近道です。さあ、自分の名前を書きましょう。それが出来た子から、必要な文字を教えていきますね」


「すみません。今日から始めてきたのですが」


「おや、そうでしたか。では、名前を教えてくれますか?」


「フレイルと言います」


「フレイル君ですね。あなたの名前は、こう書きます。今日は何度も何度もこれを地面に書いてください。まずは自分の名前を書けることが大事ですからね」


「解りました」


「……なるほど。文字は表音文字と思っても良いのかもしれない。表意文字の場合、名前で文字を判断する事は出来ないだろうからな。アルファベットよりも、ひらがなに近いのかもしれない。フレイルとは4つの音で構成されている。それに対して4文字が当てがわれている。ひらがなだと思って勉強した方が良いのかもしれないな。……だが、ひらがなだけでは、勉強は難しいだろう。同音異義語が沢山出てくるだろうからな。論文も読むのが大変そうだ。……もしかしたら、上流階級は、普通に漢字のような表意文字を使っているのかもしれない。言語としてはその方が良いだろうからな。では、日本語と同じように組み合わせる可能性もあるのか。だが、平民はこれで十分であると言う事なんだろう。まあ、よくありがちな話ではあるが」


 まずはしっかりと文字と数字を覚える事だ。それが出来て始めて、色々な事を出来る様になるのだから。文字は基本だ。それが出来ない事には、他の何も出来ないだろうからな。教えて貰えるという環境を有難いと思わないといけない。義務教育なんぞ無いのだろうからな。

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