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狂おしいほど好きなこの世界  作者: ルケア


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ひたすらに写本

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 植物紙を作り、鉛筆の代わりを作り、必死になって写本をしている。まずは全てを書き写す。その後で解読すれば良いのだ。未知なる言語の解読ほど、難しい事はない。今現在使われていない可能性がある。基礎の6つの魔法に表意文字が使われていないのが、何よりもの証拠である。全ては表音文字で作られている。全部ひらがなで作られているのだよ。だから、研究者しか読めない、いや、研究者でも読めない物があるのかもしれない。……そもそも読めるのであれば、簡単な魔法陣くらいは作れるはずなのだ。それが出来ないでいる。偉業扱いされるのであれば、そもそもこの文字が読めていない可能性がある。


 だが、間違いなく、過去の人物は読めたのだ。それは間違いがない。誰かがこの文字を捨ててしまったのが問題である。前世で言えば、韓国がこれに当たる。漢字とハングルで表記するものを、ハングルのみにしてしまった。その分、識字率は上がる。漢字という表意文字は膨大だ。それを覚えなくて済むようになるのだから、識字率は上がるのだ。ただ、文章の読解力が下がる。これは致命的なのだよ。漢字が無くなれば、文脈で意味を判断しなければならない。それが圧倒的に難しい事だとは、当時の人も思っていなかったのだろうな。……あるいは、全てを解っていて、それをなしたか、だな。韓国は民主主義国だ。それを王政にしたいのであれば、平民は愚かな方が良いのは確かなのだ。誰かが韓国を王政にしたいと願ったのかもしれない。下手をすれば、他国の謀略と言う事もあり得るからな。それくらいにハングルのみというのは不味いのだ。


 それはこの世界も同じだろうとは思う。誰かが何かの為に、表意文字を忘れさせたのだろう。それは一体誰が、どうやってというのがある訳だ。……ある程度の予想はつく訳なんだが。恐らくだが、教会勢力であろうと思う訳だ。文字を教えているのも、魔法を教えているのも、教会だからな。昔の彼らが、表意文字を忘れる様に仕向けたのだろうとは思う。それの利点がない訳ではないからな。教会勢力が恐れていることは、国同士の戦争だろう。魔法が戦争の道具になるのを恐れた結果だとは思うのだ。知識があれば、自在に魔法を使えるのだから、それを教会勢力は嫌がった。そう言う事なのではないかと推論が立てられる。


 と言う事は、教会勢力はとてつもなく大きな勢力であるとともに、唯一の表意文字を理解できる人たちである可能性が高い。……とはいっても、上層部だけしか知らないか、あるいは、上層部も忘れてしまっているのかの2択なんだが。上層部が忘れているのであれば、かなりの問題になるとは思う。魔法文明を作り上げるには、どうしても表意文字の力が必要になってくるからだな。今から全てを解読するのは不可能に近い。魔法の成り立ちを考えるに、それに合わせた文字が発達したはずなのだ。それを基礎に構築しているからこそ、魔法が成り立つ。既に日本語での魔法の作成は行った後だ。結論は、出来ない。日本語にあった魔法陣を組み立てるのであれば、別なんだろうが、他言語では今の魔法陣は起動しない。


 故に、必死になって写本をしている訳なんだが、それだけでも見えてくるものはある。同じ書には同じ表意文字が使われている頻度が高いと言う事になっている。それと同時に、違う書にも同じ表意文字があるという結果も上げられる。前者はそれ相応の専門的な用語であり、後者は文脈上必要な文字になってくると思われる。漢字に置き換えられるだけでも、私には有利な事だ。漢字を知っているからこそ、見えてくるものもあると言う事なのだよ。


「とりあえず、この本の写本は終わりだな。次の本を借りに行くか」


 研究室を何度も何度も往復する。その時に、何度か技師の人たちとも会っている。……皆、歓迎の色は無かったがな。権力を傘に脅してくる奴、そもそも眼中に無い奴、何故か強張る奴と、色々と見てきた。なんとなくだけど、強張るのは、追い出させることを恐れているのではないかとは思うんだが、どうなんだろうか。まあ、研究室に来たって、読めない資料があるだけなんだろうけどな。読めるのであれば、魔法陣を組み立てることは簡単である。そこまで大きな仕事ではない。表音文字だけで作れと言われれば、色々と魔法陣を作れる程度には、自由度があるのだよ。まあ、その自由度が足かせになっている可能性もあるんだが。自由度が高すぎて、既存の魔法と大差ない物が出来上がっている可能性があるんだよな。知識を知らないと、そう言う事が起こり得ると思うのだよ。


 まあ、私も所詮はその程度の魔法陣しか構築できないのは確かなのだ。だからこそ、研究を重ねて、何とかこの文字を読めるようにならないといけないとは思っている。読めれば後は検証するだけなのだ。まあ、それはリベリエルに行ってからになるとは思うが。今のうちから成果を出してしまっては不味いのだよ。それは避けなければならない。


 まあ、こっそりとする分には良いとは思うけどな。でも、改良するにしても、何処でどうやってってのがあるんだよ。もしも解釈を間違えていた場合、酷いことになる可能性があるからな。肉と森を間違えれば、まあ、何が起きるのかは解るだろう?


「焼き肉をしようと思って森を作りましたって事になったら、マジで洒落にならないからな。実験は慎重になるべきなのだよ。危険性が解っているからこそ、簡単には実験できない。……というか、他の技師たちは何処で実験をやっているんだろうな? まさか自室でやっているなんて馬鹿なことはないよな? そんな馬鹿な事をしたら、間違いなく放り出されるとは思うんだが。何処かに実験場があるのかもしれない。……まあ、使わない方が良いだろうけどな。成果を出したら、ずっとここにいないといけない可能性があるし」


 とにかく、知識だけでも良いから、詰め込む必要がある。検証は後だ。追い出されてからで良いはずだ。写本を繰り返し、ひたすらに自分の書物を増やしていく。最終的には研究室になんかいかなくても良い様にすればよろしい。それで良いと思うのだよ。研究室に行かなければならない用事は、特に無いのだからな。書物さえ確保してしまえば、こっちの物だ。


「だからと言って、毎日毎日写本をしているのも芸がない。だが、だからと言って、これをサボる訳にもいくまい。サボればサボるだけ、私の資料が減ることになる。それは避けなければならない。まずはひたすらに写本か。文章をコピーする魔法があれば良いのかもしれないが、出来るとしても火属性魔法になるだろう。……1つ間違えれば、燃やす可能性があるからな。やはり、コピー魔法は使わない方が良いだろう。面倒ではあるが、書き写すしかない、か」


 書物を燃やしたところで、誰も気に留めないとは思う。どの書籍が無くなったのかが解らないとは思うんだよな。誰も読めないんだろうし。読めるのであれば、そもそも研究室が機能している筈である。機能していないと言う事は、そう言う事なのだよ。読めないから自室にこもる。読めない事をバレてはいけない。そういったレベルの争いをしていると思われる。まあ、正直どうでもいいが。まあ、技師である以上、ある程度の成果を出せているのだとは思うが、初日の事件を考えると、本気で何の成果も上がっていない可能性もあるんだよな。それで良いのかとは思うが、読めないのだから仕方がないという感じなのかもしれない。まあ、関係ない話ではあるんだが。

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― 新着の感想 ―
密室で個体を出すつもりが同じ質量の気体をだしたら面白いことになりそうですね 気体は身体に入りやすいですから 実験内容にもよりますが安全は確保したいところですね
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