推薦を取り付けて欲しい
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「伝手が無いなら無いで良いんですよ。これから繋いでもらえば良いだけなので。なので、その研究室ですか? そこへの推薦状を書いてもらっても良いですか? それが無理でも、何人かの商人の連名なら何とかなりますよね?」
「……いや、いやいやいや。流石に無理かなあ。伯爵家の研究室も、王都の研究室と比べれば落ちるかもしれないけど、それでも雲の上の世界だから。普通に平民は入れないよ。そりゃあ大規模にやっている商人の名前があれば、面接くらいはしてもらえると思うけど、僕じゃあとてもじゃないけど無理だよ。今から大規模な商人に成れって言われても無理なのは解るでしょ? 扱っている金額が違い過ぎるんだよ」
「だから、その大規模にやっている商人さんに連名にしてもらえば良いんですよ」
「いや、だからね? そもそも大規模にやっている商人とも会えない訳だよ? 僕程度の商人が会える人じゃあ無いんだよ。そこからして無理だからね?」
「じゃあ、会えるような商材を持っていれば良い訳ですよね?」
「……まあ、それ程の商材があれば、だけど。もしかして?」
「これならどうかなって思うんですが」
「うん? ……見た感じ、銀に見えるけど、これは?」
「不正解ですね。それは白金です。銀とは重さが違いますから」
「え!? 白金!? これが!?」
「そうです。……初めてみたんですか?」
「そりゃそうだよ!? 白金貨なんて普通は扱わないんだよ!?」
「商人なら、ある程度の貨幣を扱っていると思っていたんですが?」
「残念ながら、僕は白金貨を見たことはないかな。大体、白金貨で取引しないといけないものって殆どないしね。多くても金貨を数千枚集めた方が早いんだよ」
「じゃあ、白金にはそれなりの価値があるって事ですよね?」
「……まあ、そ、そうなるね。これが本当に白金ならね?」
「解らない訳ですよね? と言う事は、知っている人に聞きに行かないといけないですよね? 勿論、知っている人で、一番会えそうな人って、大規模な商人さんですよね?」
「そう言う事になっちゃうかな? ……え? ちょっと待って! なんでこんな所に白金が!? まさか!?」
「ええ、作りました。魔法で。なので、安定供給できるわけですよ」
金よりは比較的楽である。……まあ、銀ならもっと作れるわけなんだけど、銀と白金が解らないってのは、まあよくある話である。そもそも金属は例外があるが、大体は銀色をしているのである。見分けを付けろと言われても、マジで実験などをしてみて、性質を調べないと解らないなんてことはザラにある。その様に作られた金属なら特に。
はっきり言って、銀と白金を簡単に見分けようとすれば、重さを計るのが良いと思う。比重が違うのだ。銀と白金では比重が2倍ほど違う。解る人が持てば、直ぐに解る。銀なのか白金なのかは、はっきりとする。まあ、知らない人には銀と言ってもバレないだろうが。ちょっと重いなって程度の話で済むと思う。
「……うわぁ。色々と世界が壊れそうだよ。でも、白金の方を作らせなかったのは良い判断だよ。正直、価値が違い過ぎるからね。鉄で良かったよ。そうじゃないと扱えない所だったからね」
「いや、普通には白金は作れないんですよ。鉄の玉を見て貰ったと思うんですが、それの大きさは、普通の人の魔力量ならそのくらいになるよねって大きさなんですよ。普通の人が白金は作れません。魔法陣に最低限の魔力を供給する事も不可能です。私の魔力ってかなり多いらしくてですね。でも白金を作ろうと思っても、それ以上の大きさにならないんですよ。そして、しっかりと魔力酔いを経験しますからね。なので、白金は相当な魔力量じゃないと作れないとは思いますよ?」
「魔力酔い? そこまでしないといけない量で、これだけしか作れない? ……普通の人は作れない? それが、出来ている?」
「まあ、そう言う事ですね。突然変異か何かは知らないですが、私の魔力量ってかなりの量らしいです。教会の人にそう言われました。なので、魔法を初めて使うときは、かなり苦労しましたね」
「……ちょっと持ってもらってて良い? ……あー、頭が痛くなってきた。え? 白金? これを商材にして、大商人の所へ? いけなくもないよね……。本当に白金なら、持っていって見分けて貰うってのも1つの手ではある。それが本当に白金なら、縁は作れる……。推薦状も、書けなくはない、か?」
「どうです? 出来るだけ早くに推薦が欲しいんですよね。そろそろ動き出さないと、色々と遅れそうですし、早いに越したことはないのかなって思うんですよ。これでも6歳になっている訳です。独り立ちには早いかもしれないですけど、研究室に入るのであれば、早い方が良いですよね?」
「本気で考えているって訳ね……。あー、まあ、うん。……解った。交渉をしてみるだけはしてみよう。上手く行くかなんて解らないよ? でも、僕も商人だからね。一気に大金を得られる機会があるからさ、乗らないと損だと思う訳だよ。今回はそんな機会って事でしょ? 負けたよ、君の熱意に。でも、本当に話を持っていくだけだからね? 確実ではないって事は覚えておいてよ?」
「勿論です。無理だったら、他の手を考えますから」
無理なら他の手段を考えればいいだけの話だ。何、なんとかするさ。その時は自分で直接乗り込んでいこう。それなりの年齢になったら、だけどな。早ければ早い方が良い。最速最短で目指せるならば、目指した方が良いだろう? その方が良いとは思うんだよ。
「まあ、出来るだけの事はやるよ……。それと、これは買い取りじゃなくて、預かりで良いかな?」
「そもそも価値判断も出来ないって事なんですよね?」
「……痛い事を率直に言うね。まあ、その通りなんだけど。だから、こっちで売った値段で、買い取り価格を決めるから」
「ああ、それならそのまま持っていってください。多分ですけど、向こうからも対価を要求されますよね? それを対価に当ててください。その方が早いでしょ?」
「……まあ、その方が早いけどね。本当に、なんでこんな子供が生まれたんだろうね?」
「さあ? 誰かが望んだんじゃないですか?」
無論私が望んだのだ。異世界に行きたいという願望を叶えた訳だ。誰もが出来なかったことを、私はやり遂げたのだ。アインシュタインが残した足跡を辿れば、ここに行きつくのは当然の結果だったのだ。……まあ、世界を選べたのかと言われたら、そうではないのだが。
カントさんにはそのまま白金を持っていってもらった。早ければ、麦の収穫の時機にでも返事が来るらしい。大体3か月から5か月後だな。どういう返事が来るのかは知らない。そんな事は解らない。だが、評価するものが節穴でなければ、最低でも継続取引を言って来るだろう。村から白金が出てくるなんて思っても居ないだろうからな。まあ、普通にしていたら出てくる訳が無い訳だけど。魔法を使わないと出せない。それも魔力が極端に多い人でないと無理なのだ。
まあ、後は待っているだけで良いとは思う。その間は、畑仕事をしないといけないんだよな。食事は多い方が良いからな。運動もしているし、食べ盛りだ。多少のカロリーは仕方がない。欲を言えばタンパク質が欲しいが、ジビエも確実に取れる訳ではないからな。それに、順番待ちなのだ。こちらばかりに回ってくるわけではない。がっつりと食べたいのは解る。だが、無理なものは無理なのだ。……流石に弓は使えないからな。狩人は出来ない。弓なんぞ使ったことがないのだ。まあ、普通の人はそうだろう。弓道部員程度ではないのか?




