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何よりも酒

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 私は暫く、白金を生み出す機械となって、毎晩白金を生み出していた。勿論だが、魔力酔いとの戦いも含めてだ。一気に魔力を消費するため、魔力酔いが酷い。だが、それにも慣れてきた。作物が実りだし、ヤングコーンが食卓に上り出した頃の話だ。マトマは順調に育ち、青い実をつけている。カラカコシも大きく、はちきれんばかりに成長してきている。そろそろ食べごろではあるとは思う。ただ、肥料の量で、かなりの差が出てきている。


 マトマに関しては、実験番号1-34-2が一番の出来だと思う。1がマトマを意味し、34が配合比を意味し、2が肥料をやった回数を意味している。つまりは、マトマに関しては、34番の肥料を2回やったものが一番実りが良いのだ。3回の肥料をやった所は、無駄に脇芽が多く生えてきて、処理はしたのだが、背丈が大きくなるばかりで、実を余りつけなかった。つまりは肥料が多すぎたと言う事になるとは思う。植物も、肥料を与えれば良いというものではない。適切な量というものがあるのだよ。マトマは2回がベストと言う事になる。


 そして、カラカコシに関しては、2-34-3が一番の出来だと思う。奇しくも34番肥料が一番具合が良いというのは同じで、肥料に関しては3回と、こちらは大量の肥料を必要としていることが解った。もしかしたら、4回、5回と与えた方が良いのかもしれない。これに関しては、来年に再度実験をしなければならないだろう。肥料を与える量が多ければ多いほど、カラカコシについては良いのかもしれない。ただ、見た感じであれば、3回でも十分な気がしている。4回以上の肥料を与えるのであれば、2つの実を実らせた方が良いのかもしれない。


「野菜が違うというのに、肥料の番号が同じなのは、どういうことなのだろうか? 汎用的な物が34番だとでもいうのだろうか。植物に共通するものがあるのだろうか。ただまあ、迷うことなく34番を選べるというのは良い事ではある。肥料を作物に対して変えていては、覚える魔法陣の数も多くなる。2種類での実験しかしていないし、1度しかしていない実験ではあるが、結果は出たと言う事で良しとするか。必ずしもこれが正しいという訳ではないだろうが、成果としては上々であると考えられる」


 そんな訳で、34番の肥料の魔法陣を、両親や祖父母にも共有した。祖父母は既に足腰にきているので、農作業は出来ないが、肥料の作成くらいは出来る。毎日のように、鉄を排出してくれていたこともあり、魔力の扱いには長けている。肥料を作るくらいは何のことも無いとは思う。


「……肥料の魔法か。これはこれで色々と問題が出てきそうだな。肥溜めの肥料とは違うんだろうが、そもそも肥溜めの量が足りないって事になってしまっているからな。この肥料は有難いとは思うぞ。皆、今後の肥料について、考えていたからな。麦の成長が芳しくなければどうするかって問題もあったんだよ。広げたは良いが、肥が足りねえってな。早速、明日にでも皆に伝えてくるぜ」


「与えすぎに関しては注意してくださいね? まあ、肥を使っていたんですから、ある程度の事は解るとは思いますけど。ただ、安定した収穫になるまでには時間がかかるかもしれないですね。肥料と言っても、同じものではないですから」


「まあ、そこを考えるのが農家って奴だからな。つうか、また口調が変になって来てるぞ? 最近ひとりごとが多いんじゃないのか? まあ、変でも伝わるから良いけどよ」


「えっと、まあ、多少は増えているかも……。でもまあ、口調は良いだろ? ちょっとくらいおかしくてもさ。何が変わるって訳でもないんだし」


「まあそうなんだがな? それよりも、最近は農家らしい事はしてなかったからな。これで少しは農家らしいことも出来るか? ……いや、魔法を使って農業をやるのはどうなんだって思う事もあるんだが」


「それは水をやる時も使っているんだから、そんなものじゃないのか?」


「水と肥料じゃあ違うじゃねえか。まあ、なんにしても、便利になるってんならそれで良いんだけどよ」


「そんな事よりも、食糧庫はどうなったんだ? 建築は順調なのか?」


「柱も組み終わったし、後は板材を張り付けて、泥を塗って終わりだな」


「ん? 泥を塗るのか?」


「おう。泥を塗らねえと、雨の日が困んだろ? じめっとした空気が入るとカビが生えるからな」


 ……なるほど? ああ、そう言う事か。乾燥藁を吸湿材にしているのか。晴れた日は乾かして、雨の日は倉庫の中に放り込んでおけば、確かに吸湿材の役割は果たす。誰かが維持管理をしているって証拠だな。昔の日本だと、三角の木材を組んで、湿度で開閉する様にしてあったような気がするが、それよりも直球的な解決策だな。まあ、あれは乾燥した状態と、そうでない状態の形状変化が問題で、劣化が早いって話も聞いた事があるし、良し悪しがあるのかもしれない。


「それよりも早く商人の奴が来てくれねえかな。そろそろ鉄も良い感じに集まってきたんだし、売ってしまいたいんだがな。幾らになるのかは知らないが、結構な金になんだろうよ」


「そうよね。そろそろ売れて欲しいのよね。皆の分の鋏も買いたいし、今年は早く来てくれないかしら?」


「商人って何時ぐらいに来るんだ?」


「例年はもう少し後だな。なあ、母さんや。鉄が良い感じに売れたら、酒を買っても良いか?」


「許可しましょう。多少は許します」


「ミルコとフレイルには、ちと早いか。カーンとレキアの分も買って良いか?」


「そうね。多少は良いでしょう。飲めないのも問題があるものね」


「まあ、そうだよな! よし! 久々の酒だ! 楽しいもんだからな!」


「ねえ、母さん。そんなに美味しいの?」


「僕も飲まないといけないの?」


「大人になったら飲まないといけない時もあるのよ。早く慣れておいた方が良いわよ?」


 冠婚葬祭なんかの時には、飲まないといけなかったりするだろうからな。今から慣れておくのも手ではある。……だが、カーン兄はまだしも、レキア兄はまだ10歳の筈なんだが。まあ、カーン兄もまだ16だ。日本だとアウトだな。飲酒喫煙は20歳になってからだ。まあ、本当は飲まない吸わない方が良いんだが。そもそもアルコールは体に毒なのだ。余り良いものではないんだよ。一種の麻薬のようなものだからな。飲まないのであれば、飲まないに越したことはない。飲んだ方が楽しいのは認めるが、毒を摂取しようとする気がしれないんだよ。


 それよりも、商人がもう少しで来るという方が有難い。色々と取引できればなとは思う。何が金になるのか。それを見極めないといけないだろう。まあ、多少は何とかなるとは思うぞ。魔法を使えば、ある程度の事は何とか出来る。出来ない事もあるが、それはまだというだけに過ぎない。未来では解らないからな。もしかしたらという願望はあるんだよ。教育さえちゃんと受けられれば私にもワンチャンあると思うのだ。


 それを受けられるように、今は金策をしないといけない訳で。まあ、ある程度の金は必要になるだろうとは思う。自由に出来る金なんて無いんだけど、投資する事を考えたら、出来ることは多いと思うんだよな。まあ、まずは商人と繋がらないといけない訳だ。まずはそこから。そこから縁を辿って辿ってするんだよ。


 まずは挨拶からだな。売れ筋なんかもチェックしたいと思っている。もしもそういったものがあるのであれば、こっちで入手できたら良いなと思っているんだよ。作れるものであれば、作ればいい。まあ、魔力でどうにかなるのであれば、出来ないことはないとは思う。

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