覇王の秘密
「ギ、ギルム?ギルムってあの?」
「お前の言ってるギルムが何かわかんねぇが多分あってる」
ギルムはスナイパーの手入れをしている。
「なんでこんなとこに?あと昔はハンドガン使ってませんでした?」
「このダンジョンにウイルスが流れ込んできたからやっつけた。さっきの敵がウイルス。俺がスナイパーを使ってるのはあこがれただけだ。」
ウイルス?さっきのが?でもなんでプレイヤーがウイルスの対処をしているのだろう?
なんでウイルスが敵としてゲーム内に存在しているのだろう?
疑問は残るが聞いたら事件に巻き込まれそうだったので別の質問を聞くことにした。
「なんでスナイパーにあこがれたんですか?」
「なんで俺が答えなきゃいけねぇんだ」
ギルムはめんどくさそうにしている。
「横取りって契約違反ですよ?」
さっきのは横取りしてもらって助かったが使える手は使う。
それが私。
「ちっ。はぁ。普通にあこがれただけだ。それ以外に理由はない」
「あこがれた?」
覇王はこのゲームをやっている人なら全員知っているくらい有名だ。
なのでその中には覇王にあこがれを持っている人もいる。
そんな覇王があこがれるなんて……。
「ついていってもいいですか?」
「あほか。」
「わかりました。いいんですね。さすが覇王です。」
「ついてきてもいいがその名前を呼ぶのはやめろ。俺はもう覇王ではない。」
そういって覇王はダンジョンの奥へと進んだ。
「あ、待ってくださーい!」
私はさっきの言葉を覇王に追いつくのに必死で忘れてしまっていた。
私たちはダンジョンの長い長い、永遠と続きそうな道のりを進み続けた。
覇王がどこに向かっているのかも知らずに。
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