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#記念日にショートショートをNo.36『愛は雨を走る』(Love runs in the rain)

作者: しおね ゆこ

2020/6/21(日)父の日 公開

【URL】

▶︎(https://ncode.syosetu.com/n7880id/)

▶︎(https://note.com/amioritumugi/n/n0963f5bc9766)

【関連作品】

なし

 娘が、結婚することになった。

もう20代も峠を越して、子から妻,そして親へと身分を更新していくのは、至って普通のことだ。

しかし何も、こんな梅雨の時期に結婚式を開くなんて、とも思う。

長年連れ添った妻は、私のぼやきに「6月の花嫁って言葉があるでしょ。」と半ば呆れ顔で言葉を返している。

しかしまあ、6月だから何だって言うんだ、よりによってこんな梅雨の時期に➖全く、女というのは未だに理解が出来ない。

 そんなこんなで迎えた結婚式当日は、予想通りと言うか当然と言うか、大雨が朝から降り続いていた。

しかも娘は何を考えているのか、行程の殆どは外で行うらしい。

妻と並んで傘をさしながら、娘が未来の夫となる人物と仲睦まじそうに談笑しているのを眺める。

娘のよく分からん思考をさっきまで馬鹿にしたように見ていたのに、式が進行するにつれて、いつしか自分が懐かしさを覚えているのに気が付いてしまった。

あれは➖確か私が20代の頃。

体調を崩し、意識が朦朧としながらも、私を探して雨の中を歩いていた女性の元へ、必死に、雨に濡れながらも、走って行ったこと。

愛するもののために、必死に努力出来ること。

雨は、人間から〝必死さ〟を引き出す。

そしていまその女性は、私の隣りにいる。

ああ、そうだったのだ。

娘は、私にこれを見せたかったのだ。

だから、この季節に、この条件の下でなければならなかったのだ。

そして、この月を象徴する雨を、ジメジメとしたものから〝愛する人のために身を尽くす〟、そんなイメージに変えたかったのだ。

そうだ、6月は祝日のないパッとしない月ではあるけれど、だからこそ、愛することを教えてくれる最高の月に違いない。

【登場人物】

【バックグラウンドイメージ】

【補足】

【原案誕生時期】

公開時

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