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肉体のシニフィエ

作者: インジュン


ビルの窓に褪せた空の青さ

夜のままの側溝の饐えた臭い

音漏れしている流行曲

眩暈のするようなデジャヴ

なにもかも痛くて堪らないのだ


肉体は暴力そのものだ

殴打された何十億光年の静寂に

雑踏や満員電車、渋滞は

時代から嘔吐されてしまったのだ

だからどこにも行けないのだ


街という掃き溜めの底で

シニフィアンを喪ってあなたは

あなたという透明になった

その指先で撫でておくれ

宇宙につけられた痣の一つを




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