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猫に愛されし忍者が異世界英雄になる  作者: ねこむ
森の国編
9/33

忍9

血まみれゴリラ共覚悟しろ

翌日朝から猫べえは樹上を渡っていた


前日聞いたブラディーコングの頭数は10


リーダーであるシルバーバックをひいて9


その9頭のブラディーコングは


赤く染まるその腕で猫べえを捕らえんとするが


その強靭な腕も風を切るばかりでかすりさえしない


逆に猫べえの拳や蹴りは取り巻きの9頭を打ち据え


「はい残念」


そう言い渡され意識を飛ばされたブラディーコング達が


地面に落下しそのまま昇天する


「さて後はお前だけだシルバーバック」


そう言って取り巻きより遥かに大きい


ブラディーコングを睨み付ける


血濡れの腕と白銀の背


王都で売り出すなり買い手が殺到する美しさと強靭さを併せ持つ


皮革を纏った森の魔獣である


当然危険度もぴか一


本来であれば功績があるとはいえ


登録したての猫べえが、依頼される


討伐対象ではない


だが今回に関して言えば


不幸だったのはブラディーコング達のほうだった


樹上でも変わらぬ機動性身体能力を発揮する


猫べえに取り巻きを全て打ち落とされ気づけば自分独り


シルバーバックは歯をむき出しにして吠え胸を打ち鳴らす


「ほうかかって来いってかさすがリーダーそれでこそボスだ」


枝の上で姿勢を正した猫べえ


「忍者猫べえ民草の為お前の命貰い受ける」


そう宣言するとシルバーバックに向かって枝を渡って行く


守る事をせず猫べえの蹴りを易々と体で受け止め馬鹿にするかのように


声を上げるシルバーバック


「ふふ当然この位受け止めるだろうさ」


口元に笑みを浮かべる猫べえ


「なら本気でいかせてもらおう」


矢継ぎ早に振り下ろされるシルバーバックの両腕をかわし印を結ぶ


猫べえの体に炎の如き光が纏わり付き


力を与える


「化け猫の舞」


拳に疑似猫爪が現れ宙を舞う猫べえの手が足が舞を舞うように振るわれるたびに


シルバーバックから血が飛び散り


頭を右に左に弾かれる


だがシルバーバックもただではやられない


強引に猫べえに抱き着き締めあげる


「猫べえ無事か?」


そこに駆けつけるフェラウは青ざめる


今にも絞殺されるかにみえたのだが


「変わり身」


声があたりに響くとシルバーバックの腕の中の猫べえがただの木の枝に


変わる呆気に取られるフェラウの脇に現れる猫べえ


フェラウの肩を叩いて声を掛ける


「びっくりさせたようですまない」


その声でフェラウが振り向くと


猫べえの周りには数十匹の猫達が付き従う


「お前たちやっちまえ」


猫たちは一斉に声を上げると哀れな犠牲者に襲いかかる


「猫の精霊なのか?」


フェラウの疑問に答えるように


「精霊ってより使い魔に近い連中だよ」


そう言う猫べえの周りに仕事を終えた猫たちがご褒美のなでなでしてくれと


集まってくる途端に猫たちにもみくちゃにされる


猫べえとフェラウ


二人がかりで猫を撫でまくる二人撫でられ喉を鳴らして猫べえの影に帰っていく猫達


最後の一匹が帰ると二人は笑いだす


「本当にとんでもない奴だソロでしかも樹上でブラディーコングを殲滅


俺たちエルフだって嫌だぜ」


フェラウは肩をすくめて


猫べえを称えるそして


ギルドに凱旋すると


喝采があがる


「ありがとうございます猫べえあなたのお陰で


被害が増える事態は避けられました」


騎士の立場も放り投げて頭を下げるシェル


まわりの騎士が慌てだす


「シェル近衛騎士中隊長一介の冒険者に頭を下げたりしたら


立場を奪いたい連中に格好のネタを・・・・」


「構わない自分の故郷も守れない隊長に


尊いお方を守れるわけないよ」




格闘馬鹿じゃなくて礼節を重んじる人でした

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