忍7
元凶発見?
閉ざされた門の前で出番を待つワイレンたち突撃部隊
マルバの伝言で後ろにテイマーの存在を感じ取った面々
魔獣から悲鳴が上がり門から離れた瞬間隙を逃さず魔獣に襲い掛かる
一匹に数人がかりで襲い掛かり
そして確実に討伐していく
「「ほほこれはわれらも負けておれません」」
門番のコンビが隙をついて門を抜けようとする魔獣に
己が得物である巨大な大剣と戦槌を風を巻き起こしながら振り回す
「「冒険者の方々ここから先へは一歩も進ませませんここは任せて
存分になさいませ」」
二人の声援に討伐するペースが跳ね上がる
その頃猫べえたちかく乱部隊は魔獣たちを小ばかにしながら木の上を飛び渡り続け
そして魔獣たちの後方に居たセイレーンを見つける
「確実にあいつだなセイレーン族の領地は北の高山地帯こんなとこに居る訳がない」
フェラウの指摘に頷く面々
「ただ解らんのはセイレーン族はみな温厚で底抜けに明るい祭り好き
それがセイレーンの特徴と言ってもいいなのにこれは正反対の行動
何か理由があるのか?」
あたりを確認しながら接近する猫べえ達はセイレーンの少女の首に着けられた
ネックレスから放たれる波動で察する
「こんな子供にむごいことを」
それは隷属の首飾り着けられた者の意思を奪い人形に変える
悪魔の魔道具
本来の手続きで奴隷にされた者には使われない闇のアイテム
「そこにいるのは誰?」
意思を奪われてるはずの少女が尋ねる
「そんな意思が残ってるのか」
驚く冒険者たちに少女は
「パムの体は自分の自由にはならないのだからお願いパムを殺して
パムはこんな事したくないのだからパムを殺してお願い」
パムは自由にならぬその両目から涙を流し猫べえ達に懇願する
痛ましいその願いに涙をこらえながら歩みを進めるフェラウ
「お嬢ちゃんあなたの願いエルフ族のマルバが叶えてあげる
だから私を恨みなさいそしてきれいな心で眠りなさいあなたの亡骸は私の名に掛けて
両親のところに届けてあげるから」
そう言いながら両目から涙を流しパムを手に掛けようとするマルバ
「そこまでですここはわしに任せていただこう」
そう言ってマルバの前に立つ猫べえ
「助ける術があるのにそれを行わぬのは罪でしょうからね」
そう言ってにこりと笑う
「カーズアイテムから開放するなんて出来る訳無いじゃないそんな嘘付かないで」
マルバが苛立ちながら言い放つと
「普通なら常識ではそんなこと誰が決めたわしは忍者猫べえ
わしの前で泣く者を見捨てぬことを誓ったのだ」
そして全身に魔力を漲らせる
「パム今助けてやるだから死ぬなんて言うんじゃねえ」
猫べえの気勢がパムを力づける
「呪物解脱」
漲る魔力が指に集い光を放つ
音も立てずに接近した猫べえの指がパムの首に着けられた
首飾りに近づけられるとそれは外れ地面で音を立てる
それと同時に地面に倒れるパム
途端に纏まりを無くす魔獣達
それを踏みつける猫べえ
「さあ仕上げに行きましょう彼女の為にも犠牲など出すわけには行かなくなりました」
怒りに顔を歪めながら魔獣を追い立てながら討ち取って行く
パムを抱き上げているフェラウもほかのかく乱部隊の面々も頷くと
逃げ惑う魔獣を討ち取って行く
朝日が戦場照らす頃
そこに生きた魔獣は一匹たりともいなかった
奇跡的に軽傷な者は居れども重傷な者、命を落とした者のたぐいは一人も居なかった
マルバの背で寝息を立てているパム
彼女見つめる人々の目は憎しみのそれではなく被害者を見つめる目であった
被害者回収です