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猫に愛されし忍者が異世界英雄になる  作者: ねこむ
森の国編
12/33

忍12

猫ちゃん無双回だよ



大猫は猫べえによって


「命名黒キジ」


と名付けられ本猫も気に入ったらしく


それ以外で呼んでも愛想が皆無なのだが


その名で呼ぶとほかの人間にも愛想を見せる


かくして大猫黒キジは町の住猫に仲間入りする


最初こそ距離を置いていた住人達だったが


一週間もしないうちに打ち解ける


そして二週間が過ぎたとき


それは起きる


王都への警備協力で町に守備隊が減り


冒険者達が警備に協力することが決まった矢先の深夜


「今この街に警備隊は数えるほどしかいない


そのうえ名のある冒険者も遠征中


野郎共こんなチャンス滅多にない


荒稼ぎするぞ逆らうもの抵抗するものには


容赦するな男は殺せ


女は犯して構わん


この街から奪いつくすぞ」


数百は下らない盗賊達が町を襲ったのだ


町のあちこちで上がる悲鳴


火柱と煙


後手に回り逃げ惑う住人達


追いかける盗賊達


ついに追い詰められた


幼い姉妹が下卑た笑みを浮かべる盗賊に


体を寄せ合い泣き出したとき


屋根の上からそれは降り立つ


その両目に怒りを宿して


「黒キジちゃん」


姉妹にもう大丈夫だと言わんばかりに優しく鳴くと


盗賊に襲い掛かる


前足の爪で引っ掻き回しその大きな体を叩き付けて


壁に貼り付けにする


「黒キジちゃん強ーい」


途端に歓声を上げる姉妹


そして姉妹を自分の背に乗せて


ショーズのところまで運ぶ


「ナーゴ」


黒キジの声に振り向くショーズ


「お前こいつらを連れて来てくれたのか」


驚くショーズの前に飛び出してくる姉妹の両親


「二人とも無事だったのか」


両親に抱き着いた姉妹は


「黒キジちゃんが助けてくれた」


驚きながらも黒キジの頭を撫で


「ありがとう黒キジうちの娘達を助けてくれて


俺たちはもう大丈夫だほかの助けを待ってる連中のもとに行ってくれ」


そう言う父親の頼みを聞き入れて体を震わせて屋根に


飛び上がる黒キジは風のように走っていく


「ホントに大した奴らだぜあいつら」


そう言うショーズのもとにはすでに盗賊達の頭が猫べえによって


一緒に居た二十名ほどの部下とともに


鎧袖一触殲滅されたとの報告が入っている


さて時は少し戻って猫べえが盗賊の頭を発見した時に遡る


道すがら盗賊達を尋問しついに頭にたどり着く


道すがら盗賊に乱暴されそうな女性たちを助け逃がし


怒りを募らせていた猫べえ


気づかれるのも構わず


「見つけたぞ屑の親玉、覚悟しろ」


そう声を上げ盗賊達の前に降り立つ


慌てて弓を構えるアーチャーを一息の間に接近して息の根を止める


呪文を唱えようとするマジシャンの口を押えて壁に叩き付けて


意識を奪う


これをほんの瞬きほどの間にこなす


「さてあとはお前らだけだ外道な貴様らに手加減をする


理由はないさあ地獄を見せてやろう」


この宣言を受けても実力差の判らない盗賊の頭は部下に


「何してる相手は一人だぞ事前に得られた情報にこんな奴は


存在しないおそらくはこの街の切り札だつまりはこいつさえ始末


出来ればお宝も女も自由にできる


解ったら一斉にかかれ取り囲め


数はこちらが上なのだ」


そう言って檄を飛ばす


その言葉に背を押され欲望をにじませた盗賊達が


猫べえに襲い掛かる


だが


猫べえが笑みを浮かべ


殺気を放った途端


目の前の猫べえの姿は


凶暴なドラゴンかのように盗賊たちには


見え身動きさえ恐怖のために


できない


「覚悟しろ」


猫べえの宣告


そして猫べえを守るように現れる


無数の火の玉


「行け蜂たち思い知らせてやれ」


「火遁火蜂の術」


猫べえの意思を受け蜂たちに変わる火の玉


凶暴な羽音を響かせ散開する蜂たち


愚かな犠牲者たちに襲い掛かる


「ひいにげろこんなのきいてねえ」


一人が逃げ出すが蜂に回り込まれ火柱を上げる


その光景にほかの盗賊たちも蜘蛛の子を散らすように


散り散りに逃げ出す


そして残ったのは盗賊の頭ただ一人


「くそたった一人に蹴散らされただとだがまだ負けてはいない貴様さえ


手にかければ町中に散っている奴らがほっておいても


町を落とす」


在りもしない妄想だとは頭は


気が付くこともできずに自らの得物である


血に濡れた戦斧を手に猫べえに襲い掛かる




飼い主無双?

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