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3 力の副産物パート1

『……うぅなんなんだよ意識、が……』


 そう呟いて力尽きたのかパタリと地面にキスをして動かなくなった、これでしばらくは静かだろう。


「すっごーい、あっという間に終わっちゃった……生きてる……よね?」


 静かに見ていた女の子が深紅の瞳を輝かせて褒めるも反応を見せない目付きの鋭い男が死んでないか念の為尋ねてきた。


『生きてるも何もとっくに死んでるわよ……それにしても閉じ込められるなんて何か悪いことでもしてたのかしら?』


「死んでるの?死んでるのに終わってないの?」


『そうね、通常は命尽きたら残るはずないんだけど……貴女の反応を見ると封印とかそういうのは復旧されてないのかしらね?』


 聞かれても分からなかったのか首をかしげ話題になっている片割れの刀(立ちながら眠っている者)に視線を移すと女の子の視線に気が付き会話を聞いていたのか女の子の代わりに答えた。


『……善行はしてないが悪行もしていない……人に封印をするなど…………当たり前ではない』


『そうなの……当たり前ではないということは普通の人には扱えないのね、もしかしてその人は魔女って呼ばれてたりしない?』


『魔女?……あれは魔女ではなく堕神の類いではないか……』


『墜ちた神って喧嘩売ってるの?アタシが聞いたのは魔女って呼ばれてないかって事よ』


『推測にすぎないが魔女の仕業ではない……魔女等という名称は寝夜物語くらいでしか聞かないからな』


 魔女じゃないってことはこの世界にも少数ながら力を使えるものが産まれたって事なのね……どのくらい扱えるのかしら

ん?寝夜物語?……人が寝る前の読み聞かせ見たいなものかしら、今もこの地に留まってるのか怪しいけれど聞いて損することではない。


『それで良いわ魔女の事を教えて頂戴、その代わりって訳でもないけれど呪いなどの情報くらいならあげられるわよ』((これで少しは行動範囲が広まれば良いんだけれど)


 情報を交換している最中大人しく会話を聞いていた女の子が声をあげた何事かと女の子の方を見るが特に変わった様子はなかったので視線の先をたどることにした。


『ぶふっ……』


 木々に動物が集まっている視線を下げて地面の方を見ると毛玉の山が……嫌々、多分先程まで伸びていた奴に(たか)ったせいだろう、暑そうで良くまだ伸びてられると内心感心してしまった。


『……動物ではない?』


『あっそっかあ……はいっと』


 手を軽く木々に向けて振りかざすと女の子と伸びている奴と眠そうに話していた奴と動物以外、つまり毛玉の山と思えたものだけが姿を消していたそれと同時に今まで伸びていた奴が表現できない叫び声を上げその様子を見た女の子が慌ててどうしたのかと駆け寄っていった。


『……何をした?』


『あはははは……は、はっ…………漏れたエネルギーが溢れたせいで木々も半実体化してたからそのエネルギーを君たちに詰め込んだだけよ』


 誤魔化そうと笑おうとするも乾いた笑みしか出てこないで素直に言ったのにまだ続きがあるのではとじっと見てきた、あんまり見ないで欲しいなぁ。


『それで何をした?』


『うぐっ別に何もしてないわよっ変化は五感が鋭くなったぐらいだし別に不便は無いでしょ、エネルギーが切れたら今まで通りに戻るわよ……タブン……』


『…………』


 無言の圧力……べ別に屈指たわけじゃないけど話しても減るもんじゃないし?出来るだけまとめて話そうと思考を巡らせながら教えてあげた、これくらい砕けば理解するでしょう……するわよね?


『要するに今まで伸びていた奴は現在痛みにもがき苦しんでいるだけなのよ、肉体が無いから精神的に刺激を加えて気絶させてたのが裏目に出たってだけ……漏れたエネルギーを二刀(二人)?に詰め込んだ影響で肉体のあった生前の頃よりも鋭くなった五感が二刀の魂に一時的に宿ったって事で死んで魂になってからの痛みなんて久々で生前の頃よりも痛みは倍に感じやすくなったんじゃないの?

 まぁ、あのまま木々の半実体化して可笑しな噂の森になるよりはましじゃない?』


『噂は構わないが漏れたエネルギーとは』


 そこを聞くのか聞いちゃうのかっこやつは等と視線だけでやり取りしていると叫んでいる奴の命に別状が無いと分かったのか女の子がやって来て刀の片割れ(立ったまま寝ていた、現在半分開いている眼をもう少し開けて瞳で訴えてる奴)と一緒に混ざり話を聞きたそうにじーっと深紅の瞳でこちらを見ている、ええいっ貴女は伏兵だったのか味方はアタシに味方は居ないのかっ?

 ※結局折れて話した


『アタシの力が偉大過ぎるから使うと一部漏れ出て副産物として周囲に強い影響力を与えるのよ、今回はその副産物を収める器があったからそれに納めたってわけ』


 コントロールが制御出来ていないことは決して口には出さなかった、というか認めないし力なんて使わなければ良いもの、魔女の話題から色々とずれてしまったし情報収集はこのくらいでお仕舞いかしら……話は以上よと会話を終わらせてその辺にある落ち葉を拾い簡易ベッドを女の子の為に造り誤魔化した。

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