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掌編小説集3 (101話~150話)

優しい星

作者: 蹴沢缶九郎

宇宙の探索任務を授かった探索隊は知的生命体の存在する星を発見し宇宙船を着陸させた。宇宙船が着陸するのを待ち構えていたかの様に、惑星の住人ザメル星人が出迎え言った。


「ようこそお越し下さいました。あなた方を心から歓迎致します。」


やがて、隊員達を歓迎するパレードが行われ、隊員達を乗せた車は歓迎会が開かれるパーティー会場に到着した。会場で隊員達は美酒に酔い、頬がとろける程の食事に舌鼓を打ち、絶世の美女と楽しい一時を過ごした。隊員達を歓迎する宴は三日三晩続き、隊員の一人は、


「素晴らしい星だ。隊長、ずっとこの星にいましょう。」


と申し出たが、あくまで今は任務中なのだ。そういう訳にもいかず、隊員達は後ろ髪を引かれる思いで楽しかったザメル星に別れを告げ、地球への帰路についた。


地球に帰還した隊長はさっそく、ザメル星での出来事を上司に報告した。その様な素晴らしい星が存在したのかと、地球から別の探索隊が結成され、ザメル星へと旅立っていった。


ザメル星に到着した隊員達は期待しながら宇宙船から降り立つ。しかし、そこにザメル星人の姿は見当たらず、どうも様子がおかしい。隊員は少し離れた所を歩いていたザメル星人を見つけ、声をかけた。


「どうもこんにちは。我々は地球からやってきた者です。先日こちらに伺った仲間達から、ザメル星でとても歓迎されたと聞きまして…。」


「地球? ああ、この間来た者達の仲間か。歓迎したのは当たり前だ。彼らが我々の星に来た記念すべき一千万人目の宇宙人なのだからな。そんな事より、お前ら用事がないのならさっさと帰れ。」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 生命体のいる星の探索が、日常にある記念行事の一つになってしまったのが、おもしろかったです [一言] 地球人がしらないだけで、ザメル星は、交通の要所だったのかもw
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