私と海斗の出会い
(ジリジリ)
朝から響くベルの音。
眠い目を擦り時計を止めた。
今日も1日が始まる。
「ん…眠い…」
布団から出て制服に着替える。
すると下から声が聞こえた。
『美雪~起きなさいよ。」
お姉ちゃんに起こされたらしい。
「もう、起きてるから!」
といいキッチンに行く
「おは。」
『早く食べなさい。』
いつもの光景だから慣れてしまった。
食事中は会話をしない。
これが普通になってしまったのには理由がある。
ご飯中に愚痴を呟いたお父さんが、お母さんに叱られてしまったからだ。
二人は離婚までしてしまい、お姉ちゃんと二人暮らしをしている。
その日以来、会話は無くなった
「ごちそうさま。」
『歯磨き、顔洗いをして行くのよ。』
無言でキッチンを出る。
お姉ちゃんの言動は嫌いだから。
全ての支度を終え、学校に行く。
「行って来る。」
『はい~』
(バン)
ドアを勢いよく閉める。
あの家には居たくない。
居心地が悪い。
『美雪ちゃん!おは~』
「おはよ~、未来ちゃん」
親友の未来と学校に行く、それだけが幸せだから。
いろんな話をしてると、高校に着いてしまった。
生徒が沢山来ている。
『聞いた?3年生に昨日転校生が来たの?イケメンらしいよ』
流石、イケメン好きだな。
「私達、2年だよ。関係ないよ?」
内履きに履きかえ教室に入る。
同級生の話声も聞こえる。
賑やかなクラスだな~。と考えていると。
(キーンコーンカーンコーン)
チャイムが鳴り響いた。
一斉に皆が席に戻る。
(ガラッ)
『ホームルームするぞ!』
先生の声が響く。
名前を呼び終えた後、先生が今日の予定を読み上げる。
『授業の支度しろ』
といい、教室を出た。
『え~、この500に…』
数学の授業中にある人が教室に訪れた。
これが私の人生の堺でした。
(ガラッ)
『このクラスに美雪って子いるか?居るなら手を上げろ。』
教室がザワつく。
『あれって、海斗先輩!?』
こそこそ話が聞こえて来る。
「わ、私です!」
先生に止められたけど、仕方ない。
沈黙が続く
『そうか。ついて来い。』
何されるの?
不安が心を覆う。
でも、先輩らしいし。
「はい。」
教室を出た。
無言で廊下を歩いていたら、いきなり。
『俺、海山海斗。3年だけど怖がるな。』
「あの、要件は?」
『トリップする。』
「え?失礼ですが、それは無理ですよ。」
『できるんだよ。』
そのセリフと同時に意識が消えた。