二日目 下っ端な日々
あ、どもッス。自分は今日の日誌担当、ハルマっていうッス。………別に自分、どこの中華料理とも関係無いんスよ?いや、確かにハルマキは好きっスけど。
でもとりあえず、自分の趣味はどうでもいいんスよ。今日は朝からずっと忙しくって、もうくたくたなんスから。まあこれ以上は企業秘密ってことで~。
――――――――――姐さ~ん、録音終わりましたよー。
――――――――――ふざけるな!どうして一分と経たずに航海日誌が書き終わるんだ!どうせお前のことだから『企業秘密ッス~』とか言って誤魔化してきたんだろ!
――――――――――げ、なんで知ってんスか!?それと姐さん、意外とモノマネ上手ッスね!ちょっともう一回やってくださいよ!
――――――――――……………。
――――――――――わ、わかりましたって!ちゃんと喋ってきますよ!
――――――――――本当か?なんなら私が隣で見張っててやろうか?
――――――――――ご、ごめんなさいッス~!!これから自分真面目に働きますから~!!
コホン。え~、本日の業務内容ッスけど。今日は一日中…………だから10時間ぐらいッスかね?イイレゴの大掃除をやってたんスよ。しかしあれッスね、宇宙でもホコリってたまるもんなんスね。限りなくどーでもいいけど勉強にはなったッス。
…………にしても、ほうきとはたきとぞうきんって何なんスか。ここ宇宙ッスよ?いわゆるSF的な大宇宙ッスよ?せめて掃除機の一つぐらい支給してくれたっていいでしょうに、あの艦長何が『吾輩の趣味ゆえだ』ッスか!どうせ自分が機械オンチだからってあんな美術館に飾ってあってもおかしくないような骨董品ばっかり集めたんでしょうけど、そんなモン探し回る暇があったんならその時間を掃除機や電卓の使い方覚える作業に使ってほしかったッス!自分この艦に乗り込んで人生で初めて見ましたよ、電卓の使い方を素で間違えた人!
ふぅ。愚痴ったら少しすっきりしたッス。今日の日誌はこれでおしまいッスね。
――――――――――そうそう、お前ちょっと後でアタイの部屋に来いよ?
――――――――――はい?一体どうしたんすか?
――――――――――なに、さっき艦長から聞いたんだが。
――――――――――はあ。って艦長!?ま、まさか…………。
――――――――――アタイのお茶請けを食べた外道について、た・い・へ・ん・に、興味深い話を聞いたんでな。………絶対、逃げるなよ?
――――――――――ひぇ~!!?