一日目 艦長の一言
うむ。あー、あー、ただいまマイクのテスト中…………む、なんだポーラ隊員?え、何?もう書き込み始まってる?バ、バカモン!これは吾輩なりのお前たち隊員に対するユーモアセンスの表れ、つまりは気遣いであーる!だいたいポーラ隊員だけではないぞ!お前たち、艦長たるこの私が毎日いかにして緊張した空気を柔らかくしようと…………うん?いいからはよ話せ?バカモン!聞こえとるわいこの若造がー!
~しばらくお待ちください~
全く、近頃の若いもんは礼儀っちゅーもんを知らんのか?まあよい、それでは始めるとするかの。
えー、こちら宇宙航空艦イレイゴ。繰り返し何度でも言うぞ、宇宙航空艦イレイゴだ。イレイゴ、だ。
――――――――――ちょっとくどいッスよ、艦長。
まったく、この美しき名前を『くどい』の一言で片づけるとは、まったく無礼な奴であるな。まあそれはとにとにかく、我らが愛機イレイゴ及び我らの任務は、この大宇宙の偵察、これに尽きるのであるっ!そして、今吾輩がマイクに向かって喋り続けているのは、わが艦の航海日誌なのだ。自称天才技術屋なるキュン隊員の数少ない功績――――――――――喋ったことを自動でそのまま保存できるこんな装置を作るあたり、実際腕は確かなのであるが、なにせ働かん奴だからな――――――――――により作り上げられた、恐らくは地球にとって大変重要な資料になるであろうこの大宇宙の記録でもあるがな。いつか地球に戻った暁にはこれを提出せんといかんだろうし、あまりうっかりしたことは言えないであろう。
――――――――――例えばどんなことが言えないんスか、艦長?
昨日冷蔵庫の中の誰かの黒糖かりんとうを拝借したのが吾輩であるとか………はっ!?
――――――――――やっぱりあれ艦長でしたか。べつに自分のもんでもないからいいッスけど、ちゃんと謝っといて下さいよ?こっちに八つ当たりされると正直色々とめんどいんスよ。
う~む…………今度10円やるから代わりに謝っといてくれんか?
――――――――――どこの小学生ッスかそれ!!第一、ここで金なんて何かに使うんスか?
え、あ、その…………バ、バカモン、これは艦長命令であるぞ!そうやって反抗し、艦内の和を乱すつもりか!
――――――――――え~………今日も無茶苦茶な言いがかりッスね…………。
どうでしょうか。
まあ、一話だけじゃあ何とも言えないでしょうし、じっくりのんびり暇つぶしにでも読んでくれれば幸いです。
………なんか妙に偉そう?気のせいです、多分(汗)。