二章 死神⑤
――そういえば部屋にあった写真に写っていた男――てか、俺――とそっくり……というか同じじゃねえか!
「…………」
「腹が立ちますね、その眉をしかめた顔」
「あぁ、気持ち悪い。その顔で気障ったらしくため息を吐くな」
「失礼な」
「お前のその一つ一つの動作が俺に対しての、名誉毀損だ」
「あなたは……こ……」
ツズファは何かを発言しようと口を開く。だが言葉が出てこないようで、そのまま何かを考えるように唸るが、
「……お手洗いに、行ってまいります」
結局何も思いつかなかったらしく、憮然とした顔で、席を立った。
「お前も便所行くんだな」
「当たり前です。あなたも行くでしょうに」
何気ない一言を、少々腹立たしげに、返してきた。
「あぁ、そうかい」
適当に返し、見送る。
そして、まだ未練がましくメニューを見ているアテラに視線を送る。
「アテラ」
名を呼ぶ。
メニューから視線を外し、こちらに向けてくる。
「何?」
「ちょっと聞きたいことがあるんだが……」
そう前置きし、言葉を紡ぐ。
「えっと……俺は不死身なんだろ?」
アテラはコクンと頷く。
「それがどうしたの?」
「どういう原理なんだ?」
アテラは首を傾げる。
「……どういう意味?」
「つまり、どうして不死身なんだ、俺は」
「神だから」
「…………」