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039★自分らしい直球勝負




長谷川から招待されて、選手たちと食事に行った。

いつもテレビで見る人たちに囲まれていると、頭がくらくらしてくる。

でも、みんな優しかった。

だからホッとした。


「んでさぁ…結婚しないわけ?」

「それ、俺だって悩んでるんだって」


長谷川は、1番中のいい宇野(うの)と話していた。

しかも小声で。

燈和はと言うと、選手と仲良さそうに話している。

好印象だ。


長谷川の計画…それは、プロポーズだった。

みんなから言われて、大切な存在に改めて気づいた自分がいる。

結婚願望がなかったのは事実だ。

ただ、最近は真逆。

だから、周りに相談していた。


「んじゃさ、お立ち台で宣言!…とか?」

「は、恥ずかしすぎる…」

「お前まだそんなこと言ってんのかっ」

「だって…」

「それじゃ、普通にしたら?ドラマみたいな感じで」

「普通にって?」

「だからさ、『俺と結婚してください』的な感じのセリフを、真面目に言う」

「それもそれで恥ずかしいよね…」

「お前の悪いところ言ってやろうか?」

「おぉ」

「すぐ恥ずかしがるところ。もっと堂々としたら?」


長谷川は悩んだ。

どう言えばいいのか、どう伝えればいいのか…

結論がなかなか導き出せない。


「最後にアドバイス。あの子なら、たぶん直球の方がイイね。変化球よりも」

「ど、どういう意味?」


ますます分からなくなってしまった。

初めてかもしれない。

ここまで他の人のことで頭がいっぱいになるのは。

人の事を、ここまで考えた事はなかった。


――――凄いよな…初めてだよ


こんなに悩ませてくれる人は。


長谷川は、直球に絞り込んだ。

それは、きっとどんな球よりもストレート。

自分らしい選択だ、と思った。




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