表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/40

022★告白




もう分かった。

本当に好きでいてくれている。

燈和は、何よりもうれしかった。


次の日、テレビではその発言が意味深だと取り上げられていた。

『誰に対しての発言だったのか?』

『例のアナウンサーに対してのコメントだった!?』

散々だった。

真実を知っているのは、燈和と長谷川だけ。

マスコミがそう言うのは、このことを知らないだけだ。

というより、もしこのことを知ったならば…

きっともっとひどく取り上げられるだろう。

長谷川の相手が高校生。

歳の差が11歳。

…相当言われる。


――――…どうすればばれないんだろう?


いらない不安がどんどん大きくなっていた。



「燈和、どうだった?」

「うん、ちゃんと本当のことを言った」

「それで?」

「真田とは、本当に別れた。そして、長谷川選手におととい連絡したの」

「そしたら?」

「お願い、本当に実行してた」

「…ちょっと待って。それって、昨日のインタビューの時に言ってたこと?」

「うん。あれ、たぶん私に言ってたんだよ」


妃奈乃は言葉がでなくなっていた。

本当にすごい事が起こっているのは分かってる。


「燈和、これから大変だよ?」

「うん…」

「でも、応援するから。頑張ってね」

「ありがと」


♪~♪~


「携帯、鳴ってるけど…」

「ん?…あ、私のだ」


表示画面を見ると、長谷川だった。

それを知って、妃奈乃は教室へと戻って行った。


「もしもし?」

『もしもし、長谷川です。昨日、見た?』

「見ました!!すごかったです」

『ありがとう。…これで分かってくれた?』

「はい」

『本当に、好きだから』

「…」

『俺と、付き合って下さい』

「…はい」

『よかった~っ。ここで嫌とか言われたら、相当ショックだったかも』


長谷川は、笑いながら言った。


「本当に私でいいんですか?ただの高校生だし」

『俺が入団した年のキャンプ、来てたでしょ?』

「はい、行きました」

『あと、実はファンレター書いててくれたでしょ?』

「えっ!読んでくれたんですか?」

『もちろん。来た人の分、読むんだけどね。名前難しいってイメージが強かったから』

「名前…」


名前に感謝だ。


『ホームランボール、とったんでしょ?』

「まだ家にあります!!」

『なんかさぁ、純粋に野球好きそうだったし。優しかったし、理想の人って感じなんだよね』


理想の人…

その言葉が、何よりもうれしかった。


「私も、長谷川選手がすっごく理想なんです!!」

『ありがとう。そう言ってもらえると、すっごい嬉しい』


電話の向こうで、長谷川は少し照れていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ