表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/40

018★答え




悩んだ結果、こうするしかなかった。


――――いったん落ち着こう…


燈和は、学校で真田を呼びだした。

真田も、薄々気づいていたのかもしれない…


「急に呼び出してごめんね」

「いいよ、別に。どうした?」

「うん…」


勇気が出ない。

何と説明すればいいのか。

良く分からない。

順を追って説明することにした。


「長くなるけど、いい?」

「いいよ」


初めから説明する。

そしたら、真田も分かってくれる気がした。


「…長谷川選手、見に行ったじゃん。私って、中学2年のころに初めて見たの」

「…ってことは、入団した時じゃん」

「そう。その時から、サインもらおうとしてたんだけど、最初はもらえなかったの」

「人気だったから?」


燈和はうなずいた。


「チャンスはあったんだけど、ペン落としちゃって…」

「それはそれは残念…」

「でも、そのペン拾ってくれたんだ。名前も読んでくれた」

「燈和って?難しいのに?」

「うん。難しいって言ってた。その後、結局サインもらえなかったんだけど―――」


雨が降り出した時…雨宿りをした時のことを話し始めた。

真田は、その話を真剣に聞いていた。

ウソをつくことはない。

何も隠すことはない。

全部話した。


「…知り合いどころじゃなさそうだね」


真田はそう言った。

知り合い…どころじゃないって、どういう意味なのか。

燈和には分からなかった。

でも、燈和は心に決めていたことがある。


「…やっぱり私、長谷川選手が好きなんだ」

「どうしても?」

「うん…」


これが燈和のだした答え。

これ以上なんて、きっとない。

だから…真田とは別れる。


「理由はよく分かった。でも…別れないと、ダメ?」


うなずいた。

何もかも振り出しに戻して、1から始めた方がいい。

そう思ったから、別れる決心をした。


「ゴメン…」

「…わかった。長谷川が好きならしょうがない。それに、憧れとかじゃなさそうだし」

「うん…」

「でも、友達でいてよ。ずっと」

「うん」


これが、燈和の出した答えのすべてだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ