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47話

その後も順調に探索を続け、冬休みが近づいてきた。迷宮の探索は十五階層へと到達する。

十五階層で出現するモンスターは、「引き篭もり亀」と呼ばれていた。巨大な亀で、動きは非常に鈍い。だが、その名の通り敵を察知すると、手足や頭を甲羅の中へ引っ込め、完全に籠城状態に入る。

問題はそこからだった。

引き篭もったまま、甲羅の隙間から石礫を撃ち出してくるのだ。しかも甲羅は異様なほど硬く、生半可な攻撃では傷一つ付かない。耐久力に優れすぎているため討伐に時間がかかり、多くの探索者は戦闘を避け、この階層を素通りしてしまうという。

そんな相手に、美々たちは力試しのつもりで挑んだ。

――結果として、相性は抜群だった。

美々のスキル【衝撃】は、甲羅そのものを破壊できずとも、その内側へと確実にダメージを通す。十発ほど叩き込めば、それだけで討伐が可能だった。

辰見の【狐火】も同様だ。甲羅に阻まれても、まとわりつく炎がじわじわと内部を焼き上げる。

単体では時間がかかるが、

兎見丸が石礫を受け流し前線を維持し、

美々が【衝撃】で内部を揺らし、

辰見が【狐火】で焼き続ける――

三人の連携によって、引き篭もり亀は“面倒な敵”から“狩りやすい獲物”へと変わっていた。

ドロップ品も悪くない。

甲羅は漢方の材料や工芸品として利用され、

血液は瓶詰めされた状態で落ち、薬品の原料となる。

肉は食用で、珍味として高値で取引されている。

もともと敬遠されがちなモンスターであるため、市場では常に品薄。結果として、どの素材も高価で買い取られていた。

自分たちにとっては容易に倒せる相手である以上、狙わない理由はない。

美々たちはしばらくの間、この階層で“亀狩り”に勤しむことにした。

そして――

ある日の討伐で、それは落ちた。

通常よりも一回り大きい、楕円形の甲羅。

盾として加工されたそれは、美々がわずかに身を屈めれば全身を覆い隠せるほどの大きさを持っていた。

その名は――亀甲の盾。

迷宮公社の記録によれば、特別な効果は持たない。だが、圧倒的な耐久性を誇り、長年使い続ける探索者も多いという。

シンプルゆえに、信頼できる一品だった。

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