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34話

美々たちは低層階で活動していた。

だが、モンスターとの戦闘回数は、同じ階層で活動している探索者たちと比べても圧倒的に多かった。

その分、身体能力の強化も進んでいた。

もう五階層までのモンスターは敵ではない。

四階層の新兵ウサギも、五階層の岩石アルマジロも、

モンスター寄せのお香を使って呼び寄せ、次々と倒していく。

探索時間の制限があり、先の階層へ進めないもどかしさはあった。

それでも、美々は強くなっていく実感が楽しかった。

自分の成長も。

兎見丸との連携も。

そして、新しいスキルを覚えることも。

十月も中頃。

少し肌寒くなってきた頃には、五階層の岩石アルマジロの群れすら難なく片付けられるようになっていた。

この頃、美々は新たに【鈍器術】を習得し、

兎見丸は【鉄壁】を覚えた。

【鈍器術】はハンマーやメイスなど、鈍器の扱いに補正が入るスキル。

【鉄壁】は防御力に補正が入り、ノックバック耐性も強化される。

今では――

美々はスレッジハンマーを軽々と振り回すアタッカー。

兎見丸は前線で攻撃を受け止めるタンク。

二人の連携は、すでに完成しつつあった。

だが――

学校では少し事情が違った。

クラスでは、迷宮の話題がよく出る。

どの階層まで行ったか。

どんなレアドロップが出たか。

だが、美々はその輪に上手く入れない。

それどころか――

探索者をしているクラスメイトの多くは、すでに五十階層以上に到達していた。

いまだ五階層にいる美々は、

なんとなく恥ずかしくて、自分から話題を出せない。

小鳥遊ひよりとは、学校でも少し話すようになった。

けれど――

美々より遅く探索者になったはずのひよりは、

いつの間にか二十階層まで到達していた。

最初は装備のことを美々が教えていたのに、

気がつけば逆だった。

今では美々の方が、ひよりに質問している。

美々は――

色々な意味で、遅れていた。

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