表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/62

3話

迷宮探索者資格の講習は、夏休みに行われる。

それまでの間、美々は準備を始めた。

体力作りだ。

まずはランニング。

家の近所を走ることにした。

だが――

「はぁ……っ、はぁ……っ」

一キロも走らないうちに、美々は息切れしていた。

膝に手をつき、ぜぇぜぇと肩で息をする。

体力が、ない。

もともと運動は得意ではない。

体育の成績も普通より下くらいだ。

それでも、美々は諦めなかった。

次の日も走る。

その次の日も。

最初は一キロでへろへろだったが、少しずつ距離を伸ばしていく。

家では筋トレも始めた。

腹筋。

「いち……に……」

十回。

それだけで翌日には筋肉痛になった。

情けない体力だ。

それでも、美々は続けた。

ランニング。

腹筋。

ストレッチ。

毎日、少しずつ。

そしてトレーニングと並行して、迷宮の情報も集めていた。

迷宮公社が公開しているウェブサイト。

そこには迷宮の基本情報や、確認されているモンスターのデータが載っている。

スライム。

ゴブリン。

ラット系モンスター。

危険度や行動パターン。

初心者が注意するポイント。

美々はそれらを何度も読み返した。

ノートにメモまで取る。

ぼっちなので時間はたくさんある。

気がつけば、迷宮のことを考えている時間が一番楽しかった。

そうして日々は過ぎていき――

やがて夏休みが始まった。

学校では、クラスメイトたちが浮き足立っていた。

「海行こうぜ!」

「いいね!」

「花火大会もあるよね!」

「祭りも行きたい!」

楽しそうに夏休みの予定を話している。

当然。

美々に声はかからない。

美々は少しだけ視線を下げる。

でも、今回はあまり落ち込まなかった。

美々にも、予定があるからだ。

夏休みの予定。

それは――

迷宮。

迷宮探索者資格の講習。

そして。

迷宮に入ること。

(……頑張ろう)

美々は小さく拳を握った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ