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24話

少しだけ、ひよりと仲良くなった。

けれど――

学校での日常が大きく変わることはなかった。

美々は相変わらずボッチだし、ひよりにはひよりのグループがある。

ただ、一つだけ変わったことがあった。

朝。

「おはようございます……」

美々が教室に入りながら小さく挨拶をすると、

「おはよう、兎見さん」

ひよりが挨拶を返してくれるようになった。

それだけだった。

本当に、それだけ。

でも。

それだけでも、美々にとっては嬉しい変化だった。

――少しだけ、進歩した。

そんなふうに思えた。

迷宮でも、美々は相変わらず一人だった。

ひよりは、あの日言っていた友達グループと迷宮に挑戦しているらしい。

美々は学校が終わると、そのまま迷宮へ向かう。

そして一人で探索を続ける。

そんな生活が続いていた。

最近、少し困ったことがあった。

美々は現在、五階層まで探索している。

だが――

迷宮の内部は、入るたびに構造が変化する。

そのため毎回、一階層から慎重に進まなければならない。

モンスターを警戒しながら探索し、二階層、三階層と降りていく。

そうして五階層に到達する頃には、かなり時間が経ってしまう。

しかも美々には門限がある。

そのため、五階層をゆっくり探索する時間がほとんど取れない。

結果として――

まだ六階層には到達できていなかった。

この問題は、美々だけのものではない。

多くの探索者が抱えている問題だった。

一つの解決方法は、迷宮内で野営すること。

迷宮の中でキャンプをしながら、何日もかけて探索を続ける方法だ。

だがこれは少数派だった。

危険も多く、準備も大変だからだ。

では、多くの探索者はどうしているのか。

答えは――スキルだった。

【トラベル】

探索者の間では有名なスキルだ。

このスキルを使うと、自分が一度でも到達したことのある階層へ瞬時に移動することができる。

そのため多くの探索者が習得しており、探索者の必須スキルとも言われている。

必須スキルは、他にもある。

【インベントリ】

別空間に物を収納できるスキルだ。

装備品やドロップ品を安全に持ち運ぶことができる。

そして――

【リカバリー】

探索者の怪我を治す回復スキル。

迷宮では怪我をすることも多い。

そのためこのスキルも非常に重要だった。

探索者を続けていれば、誰もが必ずぶつかる問題がある。

階層を移動する時間の問題。

持ち物の問題。

そして怪我の問題。

それらを解決するために、多くの探索者はこの三つのスキルを習得する。

もっとも。

必ずしも一人で三つすべてを覚える必要はない。

多くの探索者はチームを組んで行動する。

チームの誰かが【トラベル】を持っていればいい。

誰かが【インベントリ】を持っていればいい。

誰かが【リカバリー】を持っていればいい。

チームで揃っていれば問題ない。

だが――

美々は一人だった。

だからこそ、困っていた。

探索者を続けていれば、いずれどれかのスキルを習得するだろう。

だが今は――

まだ、解決策がなかった。

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