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16話

【投擲】スキルは、投げた物の威力と命中率を上昇させるスキルだ。

スキルを習得したことで、洞窟コウモリに必中とはいかないものの、以前よりかなり当たるようになった。

新しい武器も手に入れた。

美々は次の階層――四階層に挑戦することにした。

四階層に出現するモンスターは兎。

正式には新兵ウサギと呼ばれている。

新兵と呼ばれる理由は単純だ。

洞窟なのに、毛皮が緑色の迷彩柄なのである。

普通なら周囲に溶け込むはずの迷彩柄だが、洞窟の中では逆にものすごく目立つ。

しかも新兵ウサギは、その状態で奇襲を仕掛けようとしてくるのだ。

隠れているつもりなのだろう。

だが――丸見えである。

美々はさっそく通路の端に隠れているつもりの新兵ウサギを見つけた。

本当に丸見えだった。

(洞窟コウモリの方が、ずっと隠れるの上手い……)

新兵ウサギと目が合っている気がする。

だが向こうは隠れているつもりらしい。

美々は気づかないふりをして歩き続ける。

通り過ぎる。

その瞬間。

新兵ウサギが飛び掛かってきた。

だが美々は慌てない。

落ち着いて盾を構える。

ドンッ。

ウサギの突進を盾で受け止めた。

奇襲が失敗した新兵ウサギは、そのまま攻撃を続ける。

左右に動く。

一瞬止まる。

そしてまた動く。

フェイントのつもりらしい。

だが――

(なんか……わざとらしい)

動きが分かりやすすぎる。

これも新兵と言われる理由なのだろう。

美々はフェイントを無視した。

そのまま警棒を振り下ろす。

バシッ。

新兵ウサギはあっさり倒れ、光になって消えた。

残ったのは、迷彩柄の毛皮。

(これ……需要あるのかな)

少し首を傾げる。

次の新兵ウサギも見つけた。

また通路の端で隠れているつもりだ。

今度は投げナイフを試してみる。

ヒュッ。

ナイフが飛び――

グサッ。

命中。

すると新兵ウサギは――

パニックを起こした。

慌ててその場でぴょんぴょん跳ね回っている。

どうやら逆に奇襲を受けると混乱するらしい。

美々は近づき、警棒で軽く叩く。

簡単に倒せた。

「……弱い?」

その後も何匹か倒していく。

すると。

新兵ウサギが消えた後、奇妙な物が残っていた。

ぬいぐるみ。

しかも新兵ウサギのぬいぐるみだった。

手に取ってみる。

お腹に小さなスイッチがある。

押してみる。

するとぬいぐるみが――

左右に動き、ぴょんと跳ねて、あのわざとらしいフェイントをした。

「……何これ?」

思わず呟く。

その後、もう一つ同じぬいぐるみがドロップした。

美々は二つとも持ち帰った。

買取受付で見せると、職員が説明してくれた。

新兵ウサギは、隠れているつもりの姿が愛らしいと人気があるらしい。

そのぬいぐるみはレアドロップというほどではないが、なかなかドロップしない品だという。

買取価格は――

一つ一万円。

「えっ」

美々は少し驚いた。

結局、一つを売ることにした。

もう一つは――

自分の部屋に持ち帰り、棚の上に飾った。

ぬいぐるみは今日も、スイッチを押すと一生懸命フェイントをしてくれる。

少し――可愛かった。

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