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11話

翌日から、美々の日課はモルモット狩りになった。

避けて、殴る。

避けて、殴る。

その単純な動きを繰り返しながら、二階層を探索する。

数日が過ぎた。

その日も、美々はモルモットを相手に戦っていた。

モルモットを探して歩いていると、通路の先に一匹のモルモットを見つける。

だが――

「……あれ?」

どこか違う。

よく見ると、そのモルモットは真っ白な毛並みをしていた。

アルビノ個体。

稀に出現するレアモンスターだ。

通常個体より強いが、倒したときのドロップ品は高価になると言われている。

美々がそれに気づいた瞬間――

キーッ!!

アルビノモルモットが突撃してきた。

速い。

通常個体より明らかに速い。

「えっ――」

反応が遅れた。

ドンッ!!

アルビノモルモットの頭突きが、美々のみぞおちに直撃した。

「ぐっ……!」

体が後ろに吹き飛ぶ。

地面に転がると、息が詰まった。

痛い。

呼吸がうまくできない。

立ち上がれない。

アルビノモルモットはすぐに距離を詰め、噛みつこうとする。

「っ!」

美々は必死で横へ転がった。

ギリギリで噛みつきを避ける。

なんとか立ち上がり、距離を取る。

「はぁ……はぁ……」

深呼吸。

落ち着け。

自分に言い聞かせる。

通常のモルモットは、真っすぐ突進してくるだけだ。

だが――

アルビノモルモットは違った。

ジグザグに動く。

急に速度を上げたり、逆に減速したりする。

緩急をつけた動き。

美々は完全に翻弄されていた。

攻撃が、なかなか当たらない。

それでも――

何とか避けながら警棒を振る。

バシッ!

ようやく一撃が当たった。

だが。

「……っ!」

いつもより硬い。

手がビリッと痺れる。

避ける。

殴る。

避ける。

殴る。

それを十回ほど繰り返した。

普通のモルモットなら、とっくに倒れているはずだ。

「はぁ……はぁ……」

息が上がる。

だがアルビノモルモットは、まだ攻撃を続けてくる。

そのときだった。

「やっっ!!」

気合とともに警棒を振り抜く。

ドォンッ!!

今までとは明らかに違う音が響いた。

手応えも違う。

アルビノモルモットの体が大きく吹き飛んだ。

地面に転がり、痛みに悶える。

その瞬間――

美々は理解した。

頭の中に、自然と情報が流れ込んでくる。

スキル【打撃】を習得しました。

【打撃】

打撃攻撃の威力に補正をかけるスキル。

多くの探索者が持つ、基本的な戦闘スキルの一つだ。

(これが……スキル)

理解した瞬間、美々は警棒を握り直す。

まだモルモットは生きている。

美々は近づき――

追い打ちの一撃を叩き込んだ。

ドンッ!!

大きな打撃音とともに、アルビノモルモットの体が消えていく。

その場に残ったのは二つのドロップ品だった。

真っ白な毛皮。

そして――

モルモットの彫刻が刻まれた、丸い盾。

美々はその場にへなへなと座り込んだ。

「……やった」

小さくつぶやく。

しばらくしてから、ゆっくり立ち上がる。

ドロップ品を回収し、迷宮の出口へ向かった。

その足取りは、完全にヘロヘロだった。

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