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10話

スライムを簡単に倒せるようになった美々は、ついに二階層へ挑戦することにした。

二階層に出現するモンスターは、スライムに加えてもう一種類いる。

モルモットだ。

二階層へ降りてすぐ、

キーキー

という鳴き声が聞こえた。

美々は足音を立てないよう慎重に近づく。

通路の先にいたのは、体長四十センチほどのモルモットだった。

正式名称は――噛みつきモルモット。

名前の通り、噛みつき攻撃を執拗に仕掛けてくるモンスターだ。

まだ美々には気づいていないらしい。

モルモットは鼻をヒクヒクさせながら、周囲の匂いを嗅いでいる。

その姿は、正直とてもかわいい。

だが次の瞬間。

モルモットが急にこちらへ顔を向けた。

美々と目が合う。

――その瞬間、目に殺意が宿った。

……ような気がした。

キーッ!!

モルモットが突進してくる。

美々は慌てず横に避けた。

すれ違いざま、警棒を振り下ろす。

バシッ!

一撃がモルモットの体に当たる。

だが――

スライムなら一撃で倒せるはずの攻撃で、モルモットは倒れなかった。

少し体勢を崩しただけで、すぐに立て直す。

そして再び、美々へ向き直った。

また突進してくる。

モルモットの攻撃は単純だった。

突進して噛みつく。

外れれば体勢を立て直し、また突進する。

それだけだ。

だが――

単純な分、しつこい。

美々は避ける。

そして殴る。

避ける。

また殴る。

それを五回ほど繰り返して――

ようやくモルモットは倒れた。

モルモットの体は光に溶けるように消え、ドロップ品が残る。

落ちていたのは、毛皮だった。

「おお……」

触ってみると、意外と手触りがいい。

美々は少し驚いた。

スライムと比べると、明らかに耐久力が高い。

モンスターの強さが、はっきりと上がっている。

「二階って……こんなに違うんだ……」

美々は気を引き締め、さらに慎重に進むことにした。

幸い、スライムもモルモットも基本的に一匹ずつしか現れない。

そのため美々でも何とか対応できた。

だがモルモットは、一体倒すのに何度も攻撃しなければならない。

そのせいで体力の消耗が激しい。

結局、探索を始めて二時間ほどで――

美々はまたヘロヘロになってしまった。

「はぁ……はぁ……」

無理はしない。

それが美々の探索スタイルだ。

大人しく迷宮を出ることにした。

買取受付でドロップ品を査定してもらう。

モルモットの毛皮。

一枚三百円。

スライムゼリーより、少し高い。

「……おお」

思わず小さく声が出た。

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