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第2話 脱出

扉が開いた先には、私が3年間整備し続けていたきれいな庭が広がっていた。

(今思い出した…)

私は大型犬を飼っているのだ。番犬という。名前はルーというかわいい名前なのに。

(嫌な予感しかしない…)

チューリップの花壇の横をなるべく音を立てないようにしゃがんで歩くと…

(あれ?しゃがんで歩いたほうが歩きやすいし速いな)

っていうことは階段もいけるんじゃない?

頭①:(いや、ここまで気たんだしそのまま進もうよ!)

頭②:(危険を冒して進むよりも階段のほうが安全じゃない?)

頭③:(進んで玄関の段ボールをどかしてから階段に行けば?)

頭①②:(それだ!)

私は段ボールをどけることにした。

高速ハイハイをしていると、ルーに見つかった時の想像をしてしまって怖くなった。

だが見つかることはなかった。

ルーは日向ぼっこをしながらうとうとしていたのだ。

玄関側に回ってきたら、玄関のドアには大きな段ボール箱が置いてあった。

手で押してもちょっとがたがたしただけだったので、足でげしげしていると…

「バタンッ!」

段ボールが倒れた。

「しまった!」

横になってしまったらもうどうやってどかそうか。

(近所の人に助けを求めるべき?

いや、でも疑われそうだな…)

塀をよじ登れるかな。やってみよう。

うんしょうんしょとのぼっているとめちゃくちゃお腹が痛くなった。

(やっと塀の上だ!富士山を登り切った気分だよ!)

「あっ」

喜びすぎた私はよろめいて下へまっすぐおちていった。

不思議にけがはなく、元気もピンピンに戻った。

だがもう塀には上りたくない。


(でもルーに助けてもらえればよくない?)


玲奈はルーが3歳児の姿を知らないことを完璧に忘れていたのだ。

さっきまでは覚えていたのにー


玲奈はノリノリで庭で歩いていた。

そしてぐっすり眠っていたルーの頭をポンポンたたいたのだ。


予想通り、玲奈は犬のルーにかみつかれたのだ。

手首のあたりを。


「びゃぁぁぁぁ!」


玲奈は手首からだらだら血を流し、ルーは人食い犬みたいに口元が真っ赤になった。


「う、え、うわぁぁぁぁぁぁぁん!」


子供の本能だろうか、赤ちゃんみたいな泣き声が出た。

泣き声が庭に響いた。ルーはどうすればいいのかわからない顔をしていて、体はまだ威嚇していた。

ー4時間後ー

私は気づいたら白い天井が見えた。暖かい布団をかぶっていた。周りは白いカーテンがうねっていた。薄暗かった。手首には丁寧に包帯が巻いてあり、血は止まっていた。

だけど、頬っぺたは涙でかたまって動かそうとするととても痛い。

シャーって音がしてカーテンが開いた。

「あら、起きたのね!大丈夫?どこか痛いところない?ああ、手首痛いよね。ごめんね。あら、涙が…

いまふいてあげるね。」

私はまぶしくて目があかなかった。頬っぺたにあったかい湿ったものがポンポンと当たった。

(気持ちいい…)

やっとのことで目を開けると、白い服をきたおばさんがたっていた。ん、失礼。おねえさんがたっていた。

ちょっと気が強そうな人だ。

「ここは…?」

「ここは病院だよ。」

「なぜここに…?」

「警察に庭から1時間以上子供の泣き声が聞こえると通報があってね。庭の塀から警察が入ったんだよ。

安心しな。こわーい犬はちゃんと保健所に行ったよ。」

「えっ」

「あんたん家の犬だったのかい?」

どう答えればいいのかわからずとりあえず記憶喪失ってことにしようかな…

「記憶がなくて…」

「そうか」

素っ気ない返事をしたおねえさんはカーテンを閉め、電気を消した。

ー1時間後ー

カーテンの向こうから声が聞こえていた。

「わたしゃ気持ち悪いよ。なんで3歳児があんなしゃべれるのよ。」

「それに記憶喪失も嘘ですよね…

検査して正常だし、頭は衝撃をうけてないじゃないですか」

「裏で何を考えてるのだか…」

ー愚痴は続くー




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