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2 散歩

「ふぅ…」


隠蔽魔法や認識阻害魔法を使いつつ、家から抜け出す。


「…やりすぎかな」


今日、改めて記憶がある状態で家族にあったが、自分の魔法を破れるような実力があるようには思えなかった。

とは言っても母と兄には会っていないから何とも言えないが。

柚葉はあと少し強ければ危なかったがバレることは無いだろう。

転生しても元は魔術師をまとめる大賢者だ。

前世で培った経験と技術はそう簡単には破らせる気は無い。

そう思いながら癖で魔力感知で周囲を確認しつつ、消音結界を周囲に張り、隠蔽魔法をかける。


「それじゃあ気晴らしに歩きますか」


そう独り言を言って私は歩き出した。

近くの建物の影で自身を観察している存在に気づかずに。



****



「なんなんだあの魔法技術は…」

もしかしたら自分よりも魔法技術が高いかも知れない。

そう思い自身の使役獣を呼ぶ。


「黒羽、あの少女の尾行、調査をしろ」


「仰せのままに」


そう言って彼女が向かった方向に飛んでいく黒羽を横目に行動を開始する。


「面白そうな奴だな…」


そう言ってどこかへ消えていった。



*** *



「ふんふふ〜ん♪」


私は家から少し離れたショッピングモールに来ていた。

特に何かを買うつもりはないが見ていても楽しいものだ。


(地球は見たこと無いものいっぱいあるわね)


向こうは魔法があったから科学はほとんど発展していなかった。

こっちにも魔法はあるがどうやら国家機密レベルで秘匿されている存在だ。

だからほとんどの人は魔法に頼らない生活をしているのだろう。


(文明の利器すごい…)


そう思いながら時間を確認するとあと少しで離れに人が来る時間だった。


(そろそろ帰らないとまずい…)


足早にショッピングモールを出て家に帰ることにした。


(なんでこのタイミングで出てくるの…)


帰り道にある空き地を見ると得体のしれない魔物のようなものがいた。

まあ、実際魔物だが。

この世界の魔術師は結界の他に結界内に湧く魔物の処理も仕事だった。


「…白玖(はく)、いるんでしょ。」


「はいはーい、やっぱり気づいてたんだ。」


「とりあえず話したいことはあると思うけどこれ、任せていい?」


「わかった〜」


そう言うと白玖は結界を張り、風の刃を操り攻撃する。

敵もそこまで強くなかったようですぐに倒すことができた。


「終わったよ〜」


「ありがとう。あ、でももう一つお願いしてもいい?」


「何?」


「今急いで帰らないとだからいつもの浮遊魔法お願いしてもいい?」


「この世界前より空気中の魔力少ないからできそうに無いんだよねー」


「…確かに前より少ないわね」


「でも風の力で移動速度上げることはいけるからそれだったらいいよー」


「じゃあそれお願いしてもいい?」


「りょーかい、じゃあいくよー!」


白玖はそう言うと風を操り、移動速度が上がったので急いで帰ることにした。



****



「ただいまー」


「あ、おかえり…って誰?」


「白玖よ」


「え…?」


「こっちでは肉体無いと無理そうだったから山にいた奴から肉体借りてきたー」


「…新しく肉体作ろうか…?」


「え、ほんと!?じゃあ作ってー!できれば可愛いやつ!」


「わかったから…ちょっと隠れてて。あと少しで人が来るから」


「りょーかい。じゃあちょっと周り見てくるー」


そう言い残して何処かに消えた白玖を見てため息をつく。


(どうして高位精霊がこっちに来てるの…)


向こうの世界で唯一契約していた風の精霊である白玖がなぜかこっちの世界に来ていた。

人の(ことわり)に縛られない精霊だからこそできるのだろう。

そう思いながら食事を持ってくる使用人を待つのだった。

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