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半月にしましょう

作者: 八十島そら


  私はクッキーを二枚食べた。

  お父さんとお母さんは、クッキー半分ずつ


  どうして一枚じゃないの?

  半分だったらすぐ無くなるよ?

  おなかでもいたいの?


  でも、お父さんとお母さんは、

  私が食べているところを見て、

  幸せそうに笑っていた。



  わたしはクッキーを一枚半食べた。

  本当は二枚ぜんぶわたしの物だったけど、

  やっとおやつを食べられるまで

  大きくなった弟が

  欲しがっていたから、しかたなく半分あげた。

  

  でも、弟が目をきらきらさせて、

  小さなお口でクッキーをかじっていると、

  気分が晴れた。



  わたしはクッキーを半分にする。

  夫も半分にして、間に座る娘にあげる。

  二枚を大切そうに食べている娘を

  いつまでも見ていたいと思った。


  

  半月ふたつに、満月ひとつ。


  「分ける」は、減ってしまうことじゃない。

  幸せをふたつ、みっつ、もっと多く増やすこと。




挿絵(By みてみん)

⭐︎主催者ありま氷炎様より、FAをいただきました。

  

  

  

あとがき(めいたもの)

 改めまして、八十島そらです。

 お月様を象ったお菓子で、よく食べている物は「月光」と名前のついたクッキーです。青い箱に入っている個包装の、英語で「月光」と訳された、昔ながらのお菓子です。ミルクティーと合います。創作ノートをひと通りまとめた後に、ひと袋、ふた袋……気づいたら一箱空にしてしまっているのです。お菓子のひとりじめに、虚しさを感じる八十島なのでございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 可愛い! とても可愛いお話でした。ほっこり。 独り占めしたくなる気持ちは同意しかありませんが、特別な人にわけることで増える幸せもとてもよくわかります。 独り占めの幸せも、半分こにして相手のニ…
[良い点] めちゃくちゃ気持ちがわかる! 小さかった頃、どうして父や母、祖父母が自分におかずを多く分けてくれたりするのか、よく分かっていませんでした。 親になり、今度は自分の子供に、同じように自分のお…
[一言] 拝読させていただきました。 可愛らしい作品ですね。
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