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9.

9.


 コテージに戻ると部屋飲みが再開された。残ったオードブルと買い出しで仕入れたつまみを肴に。

「ちょっと提案があるんだけど…」

 日下部が切り出す。

「いつもは恒例の馬券を配るんだけど、今回は朝早かったから買ってこられなかったので組長に買ってもらうから。一人千円分、好きな馬券を言って」

 組長はインターネットで馬券を購入することが出来る。日下部がみんなの分のお金を支払うからと、既に組長と交渉をしていた。それで、誰かが当たれば組長が現金を払い戻してくれることになっている。組長もよほどの万馬券でなければ払い戻しに応じられるだけの現金も持ち合わせているということでこの企画が成立した。

 組長が持参してきていた新聞を回しながら、それぞれ思い思いの馬券を購入。

「誰か当たればいいですね」

「帰りの電車の中で結果が出るよ」


 ペコが眠そうになっている。

「そろそろ、お開きにしようか。風呂にも入らなければならないし。久美さん、先に入りますか?」

「そうね。そうさせてもらうわ」

 そう言って久美が立ち上がると、ペコも一緒に部屋へ戻った。

「じゃあ、テーブルとか片付けようか」

「OK! だけど、どうやって布団を敷こうか…」

 4人で寝るのに8畳なら十分だと思っていたのだけれど、このテーブルが置かれたままなのは予想外だった。結局、テーブルを隅に追いやりその並びに一人。それと直角の位置に三人が並んで寝ることになった。

「上がったよ。お次どうぞ」

 久美が風呂から上がり、古谷が続いた。それから、組長、日下部の順に風呂に入った。そして、それぞれ床に入った。翌日は今日ここまで乗って来たバスで鴨川に戻り、鴨川シーワールドを満喫する予定になっている。満喫と言っても帰りの電車が決まっているので時間は限られているのだけれど。

「じゃあ、電気消すよ」

「はい、おやすみなさい」


 真夜中。エアコンのタイマーが切れると暑くて寝苦しくて目を覚ました組長。

「いやー、暑いな。シャワーでも浴びて来るか」

 普段は睡眠導入剤を服用して寝るのが習慣になっている組長なのだけれど、それを服用するとどうしても朝早く起きられない。この日は翌日の朝に起きられないのが心配で薬を飲まなかった。そのせいでなかなか寝付けなかった。

 隣の部屋から聞こえる物音でペコは目を覚ました。隣の部屋は浴室。きっと誰かが風呂に入っているのに違いない。

「こんな夜中に…」

 そうは思ったものの、今日一日の疲れにもあり、いつの間にか再び眠りに落ちた。




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