プロローグ
つたない文章ですが、これから楽しんでもらえるように頑張るので、どうか温かい目で見守ってください!
ザーザー…
僕はトントンと壇上のマイクを触る。いい感じだ。今日は一週間ぶりの晴天に恵まれ、この中学校の体育館に入ってくる光をとてもまぶしく感じる。この世代に会うとわかる。彼らは希望と反感に満ちている。まだ自分とうまく向き合えず、人としてまだ・・・未熟な時期だから。
ふふっ――あぁとても面白いな、未だに静かにしてくれない。
多少ムカついたりはするけど僕はこの時間が好きだ。この時間がどれだけ濃密で、有意義で、逆に無駄で、馬鹿だと笑いあえるものなのか今の僕にはわかる。そしてどれだけ大切なのかも。
でも貴重な45分を、彼らのいつも通りの時間に使われてしまうのは何とも悲しいし、わざわざ僕を呼んでくれた先生方にも忍びない。
でもうーん…。
「あー あー 」
当たり前のように、静かにはしてくれない。
よし。なら、とっておきから始めよう
「皆さんこんにちは。私は世界を救ったことがあります」
堂々と、ただ聞き取りやすく。我ながら最高の出だしができたと思う。
たちまちさっきまでの喧騒が嘘のように静かになった。すごい嫌悪感を含む視線もあれば、好奇心が強くてすごくキラキラした目で見てくる子もいて、面白さをさらに感じる。
でも、こうなれば本題の話に入ることができる。
文字通り、僕の独壇場だ。これでも役者経験があるからそれなりの技術は身に着けてる。
彼らに何を話そうか。何を伝えようか。
一応それらしくまとめて、無難な演説ができるようにカンペは右ポケットの中に忍ばせてる。でも、何か違う。昔教わったじゃないか、人に伝えるときの最善の手段は自分の心を動かすことだって。
じゃあやっぱりこれじゃないな、と右手のカンペを握りつぶす。あぁそうだ、それを話せばいいんだ。
「この言葉を信じるか信じないかは、皆それぞれが思考して判断してください。さて、これから私が話す内容はある時家の片づけをしていた時に見つけた、私が中学生を卒業してから高校を卒業するまで書き続けた、ある『日記』をもとに作った小説の内容です―――」