1.序章
2100年人類のIT技術は急激に成長した。
昔は車は陸を走っているが、今は空を飛んでいる。
その技術はゲーム界にも大きな影響を与え、VRゲームはリアルの世界と遜色ないグラフィックである。
「ネロ!明日新作ゲームの発売日だよ!もう予約した?」
幼馴染のマイが興奮気味に聞いてきた。
マイとは近所で昔からよく遊んでいる。
性別は違えどほんとに仲のいい関係だ。
「まだしてないわ! えっとこれだよな……」
俺は目の前に映るモニターからダウンロードボタンを押した。
近年科学技術の発展により自分の目の前に仮想モニターを出して調べ物などができるようになった。
もちろんゲームアプリも例外ではない。
「ワールド・ウォーズか」
このゲームは日本の大手ゲームメーカーが海外のゲームメーカーと共同開発で開発されたものである。
発売前からニュースでもこの話題で持ちきりでかなり期待されているゲームだ。
オープンワールド形式でクランバトルもあるらしい。
「今予約ダウンロードしたよ。明日が楽しみだな!」
「うん! 楽しみ! ネロまた明日ね!」
「おう!」
そう言って笑顔で手を振りながら幼馴染は自宅へ帰っていった。
「さてと、俺もそろそろ部活へ行くか」
そう言って席を立とうとしたその時一通の通知が届いた。
「ようこそ! ワールドウォーズの世界へ!!」
「何だこれ? サービス開始明日のはずじゃなかったのかよ?」
そう思いながらもアプリを開いたその時激しい光に包まれた。
次の瞬間目を開けるとそこは西洋風の建物が建て並び、多種多様な亜人もいる一目でわかるような異世界だった。
「どこだここ? 俺はゲームを始めたはずだが」
ネロはその場からしばらく動くことはできなかった。