表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘルモードの異世界をもう一度  作者: チャラン
第六章 異世界救済生活・探究(後編2)
205/279

第二百五話 高山瓜の修行・その2

 掌に魔法力を集中させ発する感覚は元々分かっていたので、それを応用し、黒石を素手で砕くコツも短時間で掴めた。だが今回は脚である。俊也は脚に魔法力を集中させたことがまだなく、まずそこで戸惑っていた。


「掌に集中する意識を脚で同じようにやるということだろうけど、イマイチ掴めないなあ」

「難しいのですね……あっ! そうだ! 俊也さん、こうしてみてはどうでしょう?」


 修行のコツが分からずどうしたものかと困っている俊也を、サクラは心配そうに見ていたが、何かを閃いたようで、俊也の所に彼女は小走りで寄って来た。そして、サクラは大胆にも俊也の両方の太ももに自分の掌を当てている。


「わわわ!? サクラさんどうしたんですか!?」

「私が当てている掌に、少し地の魔法力を込めてみます。それを手がかりにして、俊也さんは脚に火の魔法力を集中してみて下さい。うまくいくかもしれませんよ」


 そういうことかと俊也はよく納得できた。だが、俊也は年頃の青少年で、サクラも年頃の美少女である。そんな彼女に太ももへ掌を当てられて、動揺しないはずはない。


(タナストラスの女性は、本当に男に抵抗がないんだな……)


 ドキドキしながらも呆れ気味に俊也は考えていた。そして、なるべくサクラに意識を向けず、当てられた掌の地の魔法力を頼りにし、自身の火の魔法力により脚へ集中を行う。すると、


「あっ! うまい具合に力が来たぞ! サクラさん、ちょっと離れてみて下さい」

「わかりました」


 サクラが手がかりを作ってくれた脚の部分に、力がしっかり溜まったのを俊也は感じ取った。サクラに安全な所へ下がってもらった後、彼は跳躍の体勢に入り、地面を蹴って力を解放すると上方へ高く飛ぶことができている。高山瓜がなっている高さまでは届かなかったが、それでも俊也の身長の2倍以上は飛んでいた。


「俊也さん、凄いですね! もうちょっとでしたよ!」

「はい。何か感覚というかコツというか分かってきました。サクラさん、もう何度か手伝ってもらえますか?」

「はい、もちろんです!」


 その後二回、サクラの掌で魔法力の手がかりを作ってもらい、俊也は高い跳躍を行っている。その中で彼は、魔法力の変換による飛び上がりを習得でき、かなりの高所にある高山瓜をとうとう手にもぎ取れた。


「やりましたね! バッチリです!」

「サクラさんのおかげですよ。俺一人だったらコツを掴めてた気がしない」


 今まで行ったことがない脚への魔法力の集中により、俊也は珍しく肩で息をしている。だが、この修業も目処が立ち、表情はとても明るい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ