表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘルモードの異世界をもう一度  作者: チャラン
第四章 異世界救済生活・探求(前編3)
127/279

第百二十七話 齢に不相応な金

「いらっしゃいませ。当行にご用でしょうか? ギルドにご用でしょうか?」

「ええと、俺は矢崎俊也という者ですが、ザイールという交易商の方から、何か連絡は来ていませんか? ギルドに用があります」


 柔和な職員は少しだけ驚いた表情を見せた。こんな若い青少年がセイクリッドランドでも話題の剣士、矢崎俊也であるとは思わなかったのだろう。


「大変失礼いたしました。矢崎俊也様だったのですね。確かにザイール様から情報を預かっております。少々お待ち下さい」


 冷静さをすぐに取り戻すと、青年職員は何かを取りに行くために、受付を一時離れた。やはり、他で見てきたギルドとは全く対応が違い、丁寧である。


「お待たせしました。封書を一通預かっております。ノブツナという方について書かれた物とだけ伺っております。お受け取り下さい」

「これは早速だな。ありがとうございます」


 ライネルのギルドでも紹介状がとても役に立ったが、ザイールは非常に頼りになる人物だと、俊也は封書を受け取りながら再確認している。しかも、最もセイクリッドランドで会いたい、イットウサイの師ノブツナについての情報を早くも得たのだ。


「ご用は他にございませんか。ここは銀行でもありますので、口座を作って頂ければ預金や引き出しなども行えますが」

「口座ですか……そうですね」

「俊也さん、預金をしておくのがいいと思いますよ。持ち歩くには多すぎるお金をお持ちですから」


 助言をしてくれているのはセイラだ。今回の旅で、俊也は報奨金などで稼いだタナストラスでの通貨、27000ソルという全財産を持ち歩いているが、この金額は相当なもので、簡素な家なら一軒買えるくらいである。常時、この額を所持しているのは危険性などからいっても適当ではない。


「セイラさんが言う通りそれが良さそうですね。口座を作って預金をします」

「ありがとうございます。預金額はどのくらいをお考えですか?」

「15000ソル預けます」


 自分が持っているのが、かなりの大金であることは分かっているので、小声で銀行兼ギルド職員である青年に額を伝えたのだが、それを聞いてかなり職員は驚いている。目が丸くなった程だ。どう考えても、15、6歳に見える紅顔残る彼が、持つと思われる金額ではないようだ。


「……かしこまりました。では、この口座開設書類に必要事項をご記入お願いします」


 この職員は金融のプロである。そうではあるが、実際に年若い俊也が15000ソル分の金貨を窓口に置くと、再び驚愕してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ