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第 9話 クラスの模擬店

 ホームルームの時間に学園祭の模擬展について話し合いが行われた。学級委員長の山田翔太は議論の上、模擬展の候補を三つまで絞り込み黒板に書き出した。

一.焼きそば屋、二.お好み焼き屋、三.メイド喫茶。

 メイド喫茶は秋葉原でバイトをしている佐藤美優の企画だった。目玉はミスグランプリの橋本七海がメイド姿で、お茶を入れてくれるのだ。秋葉原に行かなくても学校で本物の体験が出来るのだ。


 最後は投票となり、山田委員長は投票結果を発表した。

「多数決の結果、メイド喫茶に決定しました」

 大半の男達は喜んだ。そしてメイド服にあこがれる女子も歓喜をあげた。メイド喫茶は他の候補と、大差で決定したのだ。

 松本蓮は喜んだ。

「良かったな遠藤、これで橋本さんのメイド姿が見られるな!」

 遠藤駿は楽しそうに言った。

「や~、夢みたい! 橋本さんの浴衣姿も良かったけど、今度はメイドさんか~、とっても楽しみだね」


 小野梨紗は海斗の好みを思い出した。

「ねえ、海斗、私のメイド姿、見たい!?」

「うん、梨紗は、きっと似合うと思うよ」

「海斗はコスプレ好きだもんね!」

「ん? なんで?」

「だって、隠していた本に特集が載っていたじゃん!」

 小野梨紗は海斗の家で行われた勉強会で、海斗の部屋から見つけ出したエロ本の特集ページを思い出したのだ。周りの仲間はクスクスと笑いだすと、林莉子は胸を腕で隠した。

「えっ、やだー! 私達もそう言う目で見られるのね-!」

 海斗は困った顔をした。

「もー! いつまでも、その話を持ち出さないでよ!」


 そもそも林莉子のコスプレは期待していないのだ。海斗は中山美咲のコスプレを想像して鼻の下が伸びた。海斗は中山美咲をさり気なく見ると、彼女越しに同じような顔をした京野颯太が見えた。悪い席順だった。


 海斗は我に返り表情を戻した。

「ねえ遠藤、喜ぶのは良いけど橋本さんはミスコンに引っ張られて、模擬店には参加出来ないよね?」

 橋本七海は答えた。

「全然、大丈夫よ! 二日目の午後だし、午後も二時間ぐらいの拘束だったわ」

 遠藤駿は胸をなで下ろした。

「海斗、脅かすなよ~」

 海斗は感心をした。

「あ~、そうなんだ、こう言う事も参考になるよ。なあ蓮」

「うん、そうだな。俺達、今年の実行委員だもんな!」

 遠藤駿は羨んだ。

「え~! 凄いじゃん、校内の美女とお友達になれるチャンスじゃん」

 海斗も松本蓮も、その言葉を聞いて鼻の下を伸ばした。


 中山美咲は海斗の表情を見逃さなかった。

「海斗はそんな事しないもんね、分かっているわよね、海斗」

 海斗は表情を戻した。遠藤駿は話の本題では無く、その呼び方に驚いた。

「え! 中山さん、もしかして、えー! 伏見と付き合い始めたのー!?」

 京野颯太は席を立って驚いた。

「み、み、美咲さん! そうなんですか?」

 林莉子も続いた。

「海斗は美女とお友達なんて、する訳ないでしょ!」

 遠藤駿は、またまた驚いた。

「えー! 林さんまでも-! どうなっているの?」

 京野颯太は驚きが止まらないのだ。

「伏見、お前は清々と、二股をしているのか?」

 海斗の仲間はクスクス笑った。海斗は勝ち誇った。

「京野、お前には教えてあげないよ!」

「美咲さん、こいつは松本君と一緒に、喫茶店の可愛い女の子と、お茶をしているんですよ!」

「あ~、森さんの事ね。あの人の事なら知っているから、いいわ」

 京野颯太はパニックになった。

「お前は、なん又をかけているんだ!」

 海斗の仲間はクスクスから大笑になった。


 松本蓮も続いた。

「京野さあ、みんな知っている事だから、心配しなくて良いよ」

 京野颯太は肩を落として席に座った。京野グループの仲間も驚いて不思議に思った。


 引き続き、山田委員長は進めた。

「それでは具体的に業務分担について整理します。企画者の佐藤さん、お願いします」

 佐藤美優は教壇に立ち、説明を始めた。

「まずは会場について、教室を窓側から廊下側の壁までロープをかけます。そこにシートを吊し、教室を二つに分けます。接客するホールと飲食を作る準備室に分けます。ホール係と裏方の役割分担を決めます。メイドの衣装は京野君の関連会社から、格安に借りる予定です。コスプレをする女の子は後でサイズを確認しす。ホールの飾り付けは次回のホームルームまでにイメージ化をしてくるので、その時お披露目します。接客するメイドの教育は、私と橋本さんがさせて頂きます。まずは基本挨拶のお手本をやります。橋本さんも前に出てきて下さい」


 橋本七海も教壇に並んだ。二人は両手でハートを作り、息を合わせて見本を見せた。

「萌え、萌え、キュン、キュン、いらっしゃいませ、ご主人様!」

 男子はキュンンキュンして目がハートになった。女子は赤くなり、恥ずかしいそうな表情になった。

「じゃあ、皆で練習します。盛り上がるので、男子も合わせて言って下さい。萌え、燃え、キュン、キュンって言って言ってね。……せーの!」

「萌え、萌え、キュン、キュン、いらっしゃいませ、ご主人様」

 三回繰り返えすと男女ともに一体感が生まれ、発声する度に盛り上がりを見せた。

「うぉー! 、キャー!」

 長谷川先生は首を傾げ、口を手で隠して笑った。

 佐藤美優は本物の講師の様だった。

「ねえ、楽しいでしょ!? では具体的な係を決めて行きます」

 佐藤美優と山田委員長は、部活などでいなくなる者を考慮して係を決めた。こうして模擬店の打ち合わせは順調に進んだ。


 (昼休みにて)

 いつものように海斗達は、机を並べ昼食を始めた。

 松本蓮が思い出し、大笑いをした。

「プはっハ! ねえ、ホームルームの美咲の発言、面白かったね!」

 皆は笑い出して笑った。鎌倉美月も続いた。

「そうだね、名前で呼ぶって、急に距離が近くなるって証拠だよ」

 小野梨紗も続いた。

「ププッ! 遠藤君も面白かったけど、京野君の顔が可笑しかったよ!」

 中山美咲は困った顔を見せた。

「海斗が悪いのよ、美人とお友達になれるって聞いたら、鼻の下を伸ばしたから。私は戒めるために言ったつもりなのに、あんな展開になっちゃって」

 中山美咲は笑い出した。

「ププッ! そうしたら莉子まで相乗りするんだもん」

「えっ、そうだったの? 私は美咲をかばうつもりで言ったのよ」

 海斗も笑った。

「ププッ! 京野が二股、三股みたいな事を言うから、プハッ! 面白かったよ」

皆で笑った。


 中山美咲は心配をした。

「でも、こんな話をして海斗に迷惑をかけないかしら?」

「俺なら大丈夫だよ。それよりも京野があんな顔したんだもん、スッキリしたよ。暫くしたら、遠藤経由で呼び方を変えた事を教えてあげるよ」

 林莉子は思い出した。

「そう言えば、海斗と蓮はミスコンの実行委員になったの?」

 松本蓮は答えた。

「うん、あと美月もね。俺は知らなかったけど、ミスコンって元々写真部が主催したイベントだってさ。だから今でも生徒会と合同主催らしいよ」

 林莉子は感心をした。

「へー、そうなんだ。なんで写真部と合同なのか、私も不思議だったのよね」


 海斗は頭を下げた。

「皆に迷惑かけるけど、一日目の午後は写真部の模擬店で、二日目は途中でミスコンが有るからクラスの模擬店はいなくなるから宜しくお願いします」

 小野梨紗は海斗と居たかったのだ。

「海斗ズルイ! 私も一緒に行く」

 松本蓮は小野梨紗を見た。

「小野さん、実は男子の噂があってね、ミスコンの候補者になるんじゃないかって言っているんだ。もしそうなったら小野さんがミスコンに出場する事になるかもよ」

 小野梨紗は驚いて口に手を当てた。

「えっ! 私が? 誰が推薦するの?!」

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