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第 4話 水泳の授業

 今年の夏は残暑も厳しい暑さだ。二学期はプールの授業が本格化する。男子も女子も、気になってしまうプールの授業。この日も男女に分かれ授業が行われた。この暑さのせいで、冷たいはずの水が、ぬるま湯のようになっていた。


 男子の授業はスパルタだった。準備運動を済ませると二十五メートルプールの十往復が始まった。とても女子を見ている余裕すら無かった。ようやく十分の休憩となった。男子は夢中で女子を眺めていた。


 松本蓮は遠藤駿に話しかけた。

「おい遠藤、橋本さんスタイル良いよな! 箱根旅行を思い出しちゃうよ」

 遠藤駿の顔が緩んだ。

「松本、実は俺も同じ事考えていたよ。あれはラッキーだったよな!」

「ビキニの橋本さんも良かったけど、スクール水着の橋本さんも、萌え萌えして良いよな~」

「うん、うん、分かるよ、遠藤!」

 海斗も会話に参加した。

「俺も、あの時は感動したよ。あんな奇跡が起こるなんてさあ、水面から出てきたら、ぷるんぷるんが、ボインボイン、だったよな! なあ蓮」

「海斗、良い表現するじゃん! ハハ」

 遠藤駿は賛同した。

「そうだな、男子なら口に出したくなるフレーズだよな」

 松本蓮が続いた。

「ぷるんぷるんが、ボインボイン」

 続けて海斗が三度高い音で同じフレーズを重ねた。

「ぷるんぷるんが、ボインボイン」

更に遠藤駿が二度高い音でフレーズを重ねた。

「ぷるんぷるんが、ボインボイン、ぷるんぷるんが、ボインボイン」


 言葉が繰り返す事でリズムになり、三人が重なった事でメジャーコードとなった。更に三人は両手を胸の前に並べ、上下に揺らし振りまで付けた。繰り替えす事で記憶が呼び戻された。京野颯太は三人が奏でる曲に広がりを感じ、臨場感に飲み込まれた。

 京野颯太は顔を上に上げた。

「先生! 済みません。鼻血が出ました!」

「もー、女子でも見ていたんだろ! 今日に限って保健委員が休みなんだよな、ちょっと保健室に京野を連れて行くから、男子はもう少し休憩だ。いいか、事故になると大変だからプールには勝手に入らないようにな!」

 男子は清々と女子の鑑賞時間を手に入れた。

 松本蓮は遠藤駿に笑いかけた。

「京野が、珍しく良い事をしたな!」

「ホントだね、これで思う存分、見る事が出来るよ。箱根旅行の時にも思ったけど、小野さんって肌が白くて金髪で、いかにもハーフ美少女だよね。……ところで、伏見は小野さんと付き合っているのか?」

 海斗は驚いた。

「えー! そんな事ないよ」

「だって、仲が良いじゃん!」

「小学校低学年の幼馴染なんだよ。親父同士が友達で、家族ぐるみで遊んでいたんだ」

「へ~、そうなんだ。知らなかったよ。小野さんも可愛いよね。今年のミスグランプリを狙えそうだよ」

 松本蓮が続いた。

「来月は文化祭で、ミスグランプリが選ばれるんだよね。そうなったらクラスに二人もミスグランプリが居る事になるよな、楽しまだね」

 海斗は答えた。

「確かに小野さんは可愛いけど、橋本さんみたいに色気が無いんだよね~」

 遠藤駿は照れた。

「そうだろ、だからグランプリは橋本七海だな! は、は、は」

 海斗は笑った。

「ププッ! 結局そこに落ちるのか、遠藤にはかなわないな!」

皆は笑った。


 保健室から先生が戻って来た。

「残り十分だから自由時間だ。いいか、泳げない者はちゃんと練習をするんだぞ!」

 男子は自由時間に入り、続けて女子も自由時間となった。海斗の周りに仲間が集まった。

 小野梨沙は声を掛けた。

「海斗、遊ぼ!」

 小野梨沙は海斗の背中に飛び付いて沈めた。水中の中で抱き着いたのだ。海斗は息が続かず慌てて飛び跳ねた。

「プハー小野さん、死んじゃうよ。せめて息をしてからにしてよ!」

 続けて海斗の背後から、中山美咲と林莉子が飛び付いて沈めた。二人は楽しそうに笑い、悪い事をした。海斗はもがいて水面に顔を出した。

「もー、中山さんも、林さんも酷いよー」

 更に松本蓮と鎌倉美月か背後に回った。

「いっせいのーせ!」

 飛び付き沈めた。海斗の仲間は笑顔の小悪魔と化した。海斗は慌てて飛び跳ねた。

「もー、もー、もー! 寄って集って、俺を殺す気か! ……でも楽しいよ!」

 皆は笑った。林莉子も微笑んだ。

「そうよね〜、プールで遊ぶなんて、箱根旅行を思い出すよね~」


 小野梨沙、中山美咲、林莉子は、海斗のポロリを思い出した。彼女たちは鼻の下を伸ばし真っ赤になった。海斗は思った。

「何で、そんな顔をするんだよ! ……あっ、あの時、見た表情だ! もしかして俺のポロリ思い出しているんじゃないの!?」


 海斗まで赤くなった。松本蓮と鎌倉美咲はその様子を見て笑った。

「なあ観月、海斗の体、少しだけ体重が戻った感じがしないか?」

「そうね、戻って来ているね。安心するよね」

「海斗が言っていたけど、葵ちゃんとは時間を決めて遊ぶようにしたんだって」

「それでなのね。海斗も反省して考えているのね」

皆は残りの数分、まだまだ海斗と一緒に楽しんだ。

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