表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/65

ジンカイイ侯爵家の従者たち

プリムの侍女エステル、リバートの侍従トーマスの話。ショートショートを一話ずつ。


トーマスの話は1-2の直前です。

【エステルのはなし】


「お嬢様、わたくし決めました」

「どうしたの、エステル」

「お嬢様のお子さまの乳母となれるよう、今から鍛えます」

「ふぁ!?ん、失礼。驚いてしまいましたわ。鍛える、と言ったかしら」

「はい、お嬢様。今から鍛えれば、任意のタイミングで母乳を出せる体になれるのではないかと」

「エステル、ひとつ、いいかしら」

「はい、お嬢様」

「あなたが修行したり、いつかの我が子の世話をしてくれたりするのは、とても嬉しいし、貴女の自由だと思うわ。だけど」

「はい」

「我が子とはいえ、貴女を取られるみたいで、いやだわ」

「お嬢様……!わたくし、浅慮でございました! まずはお嬢様こそ第一ですのに!!!」

「そこまで重く考えなくていいのよエステル。でも、ありがとう、そこまでわたくしのことを考えてくれて」

「お嬢様……!」


 エステルの忠誠が1あがりました。

 スキル 貴女のためなら死ねません を獲得しました。




【トーマスお見合い大作戦】

 トーマスは執事見習いにして、ジンカイイ侯爵家嫡男リバートの専属侍従である。

 リバートの秘書的業務と側仕えが主な仕事であるが、いずれは父の跡を継ぎ、ジンカイイ侯爵家の執事として骨を埋めたいと考えている。

 しかし。

 メイド長も母。

 妹君であるプリムお嬢様の側仕えは妹。

 つまり。

 トーマスには、出会いの場がなかった。

 いずれは父を継ぐ。そしてまた、家族でジンカイイ侯爵家に仕えたい。

 我が家の本能のように染み付いている。

 トーマスは思う。

 いつか、自分に恋しつつジンカイイ侯爵家を最優先に考える、そんな彼女ができないものか、と。

 それができそうなのは、今のところ実の妹しかいない。

 それは絶対にごめん被りたい。


「閣下が羨ましい」


 思わず、と言った様子で呟いたのへ、リバートは怪訝な目を向けた。


「どうした」

「私の妹もプリムお嬢様のようであれば、色々と安心でした」

「エステルには助けられているが」

「いえ、私も妹も、閣下とお嬢様が大切すぎておそらく結婚相手に困るだろうなと」


 無表情なトーマスがそのようなことを言うのでリバートは目を丸くし、そして決意した。

 ──トーマスお見合い大作戦の始まりである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ