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世界救出RTA!&世界征服RTA!  作者: shiraorinrin
3/3

世界救出RTA! 2

「リッタだな。私だ。以前、君の妻を診察した医者だ」

開口一番、そう言ってきた。なにやら面倒ごとを押し付けられて嫌々、という顔をしてその医者はやってきた。

リッタは医者の顔を見て睨みつけた。医者は少し引いたが、依然として顔はそのままだ。怒りが込み上げてきた。

言いたいことは沢山あるんだ。

どうして救ってくれなかったんだ、もっと何かあるだろう、王都1の医者じゃないのか…。

拳に思わず力が入り、後ろでギィ、と扉を開ける音が響いた。

ちらりとその方向に目を向けてみれば、ドアから顔半分だけ出して、マークが様子を伺っている。

突然の来客に心配をしているんだろう、だがそのおかげでリックは拳に入った力を緩めることができた。

一呼吸置いて気持ちを落ち着かせて、医者に問いた。

「なぜ今更ここに?妻は治らないんじゃないのか?」

医者はため息を吐き、面倒くさそうに説明を始めた。

「それがな、治る方法があるかもしれないのじゃ」

まさかの回答にリックは驚いた。慌てて「どうやってだ!」と聞くと、医者は宥めるように言ってきた。

「そう慌てるな。詳しい説明はこの国の王、 ライズ様の元で行う。至急王宮に向かう。ついてこい」

妻が治る目処が立ったのはいいがなぜ王宮召喚?どうしてこの二つが結びつくのか、リッタの脳内はその二つがどう絡むのか…と考えている間に、王宮へ連れていかれた。





「控えよ。王の御前である」

重く威圧感のある宰相な声がすっと耳を通る。なんの疑問も感じず、自然と膝を地につけ、顔を伏せた。リッタこの流れるような動作をしていたことを今気がついた。

だが、それよりも威圧感のある声がリッタを包んだ。王だ。

「此度の急な招集に応じたのは、良い心がけだな」

「いえ…」

とても小さな声だったが、勝手に言葉が出た。急に呼び出されて文句の一つでも垂れようと思ったが、全くできなかった。

「面を上げよ」

「はい…」

まただ。王の声に素直に体が反応した。声も喉から絞り出されたような枯れた声がでた。

王は声だけではなく、その身体からもとてつもない圧が出ているように感じる。

王の纏っている装飾された衣服の上からでも、その筋骨隆々な身体がわかる。

それより凄いのは魔力の量だ。あの身体をしているのになぜこんなにも内包しているのだろうか。

自分も魔力は持っているが、比べるだけ…という感想しか出てこない。

枯れた返事に満足したのか、はたまた萎縮している様を見てなのか王はにやりと口角をあげ、口を開いた。



「さて、本題に入ろうか。単刀直入に言おう。貴様、勇者になれ」

「……は?」

一瞬、何を言っているかわからなかった。

いや、訂正。まだ理解できていなかった。

魔力はみなさんの想像しているものに違いありません

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