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――と、腹部に暖かい圧迫感を感じた。
「──」
――腕だ?
白い腕が回されている――
チャコを抱きかかえるようにして――
金髪が自分の脇腹辺りに見えて――
体が上へ押し上げられる!
ああっシンディだ! 助けに来てくれたんだ! シンディシンディシンディ!
大っきな安心感に包まれる!
もう、大丈夫だ――!
――!
――
――
「……ブワッ!」
派手な水音をたてて水面に飛び出て、息するのも忘れて夢中で金髪のシンディに抱きついた。
「わーーーっ、シンディ!」
「……あの」
「へ?」
目が点になる。――男だった。
金髪。至近距離。長いまつげ。グレイアイ。すべすべの白い肌。――彼は上気しはにかみながら
「大丈夫?」
「……」
「あのう……」
いきなり気付いた。抱きついたまんまだ――!!!
「き、き、き……」
さながら黄色い超音波――チャコ、ここから浜辺まで聞こえるほどの悲鳴を上げた。
目の前の光景がぐるぐる乱脈回転する。
暴れて体をふりほどくと、命の恩人の顔面に、右ストレート。固く握りしめたこぶしを叩き込んでいた。
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