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あれほどいた男の子をシンディは無情にも全部追っ払ってしまい、勝手なコトながら物足りなさを感じるチャコだ。
シンディはそんなチャコをさんざんからかってくれた。「ひぇゃあ」から始まる浜辺デビューの、うつむいてモジモジ歩く姿を、そっくりそのままマネして見せもした。そのシンディの今にも爆発しそうな顔を見て、さすがにチャコも腹の皮がよじれるほど笑ってしまったのだった。
「――とにかくいいのよ! 今は邪魔! オトコなんて、昼メシのときまた引っかけたらいいんだから! このことをなんてゆーか知ってる? ――ジャスト・イン・タイムって言うの! トゥヨータ流よ! アハハハハハッ」
と言われてもチャコには――て、もういいや……。
「アハハって、そんなまねしてたら、嫌われて相手されなくなっちゃうよ?」
「ああキミは! ホントに自分のミリョクといふものを、ちっとも理解してなーい!!(また握りコブシ) そんなことは今はいいから――さあさあ、さっさと潜るの!」
「ぶー!」
「ぶーじゃ、なーい! ……エヘ♪ むりやり沈めちゃお<ハート>」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
「キャー!」
ぶくぶくぶくぶくぶくぶく……。
――と、いうわけで、水に身を沈めるところから水泳を学んでいる、タクラカツ村出身の、カナヅチのチャコ特級魔女だった。