12
チャコのランカーバスが叩かれて空を飛び、湖に落下――しなかった。
空中にピタリと停止する。
その横――
チャコを含む全員が、目を剥いた。
――シンディだった。
やっと駆けつけてきた、シンディだった。
サーフボードの上に立って、魔女として、もはや堂々と空を飛んできたシンディ。
シンディが、黒バスを空中で魔法で受け止めている――
――そんなことでみんな目を剥いているんじゃないッ!!!
シンディの格好――!
白のセパレート! ビキニというやつでッ!
本当にッ――
本当にッ――
ンガーーーーッ!
本当に小ッさい布切れ――がプリプリな体の大事なとこピンポイントで隠しているだけでェッ、あとは紐で結ばれているだけでッ、しかも超ローレグでッ、そのまま泳いだら水の抵抗で絶対ずり脱げ落ちちゃうってくらいのッ──!
うーおー……! コイツにゃ羞恥心とゆーものがないんかァッ!?
当のシンディ、うっとりとした表情で、あはんうふんと一回転し出した。半分以上、天然のなせるわざ──ギャアアアアア!!
紐じゃ完璧にお尻丸出しじゃんかアアアアア──!!
ハリーが目のやり場に困っている! この――! この――!
ゴエモンとクロダの顔がおおっぴらに弛み、チャウが悔しがっている!
熱を帯びて逆に静まりかえった注視の輪の中で、一回転して満足げのシンディが、可愛らしく声を張り上げた。
「静まれ、静まれぇ――!」
みんなずっこけた。