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 その夜。

 シンディは単独で夜の町に繰り出し、チャコは一人、部屋の中で留守番をしていた。

「……」

 思い出されるのは、昼間の、ハリーの、体温。

 肩を掴まれた感触――

 唇の熱さ――だった!

「……」

 明日の夜、二人っきりで会おう、と約束した。

 いったい、どうなってしまうんだろう?

 期待と不安に一人、身をもむチャコだ。


 ふと――

 窓の外に、赤い明かりが見えることに気付いた。

 ベランダに出る。ここは湖側の、四階のツインルーム。結構遠くまで見晴らしがきく。

 湖の左。南の方。かなり向こうが、小さく明るい。

「あ、火事か……」

 チャコはようやく明かりの正体に気付く。

 これだけの数の町だ。

 なかには、今日この日に、火事を起こしてしまう民家があっても、そう不思議ではない。

 思わず空に出動しかけて──

 ──その体の動きを止めた。


 今から駆けつけても、間に合わない。


 昼間の、「魔女の身分を隠して」というシンディの言葉も、ついでによみがえった。

「……」

 火事――あんまり規模は大きくないようだ。

「……」

 ここはさすがに設備が揃った町だ。やがては無事、鎮火されるのだろう。が、火事に遭われた方は、気の毒なことだ。

 慰めにもならないが、そう思った。


 そのときは、そう思っただけだった。











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