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鮮血の姫君  作者: 芋けんぴ
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覚醒の反動

俺は戦闘後そのまま気絶してしまったので、その後に何があったのか全くわからないのだがどうやら爺さんあたりが俺を布団に寝かせといてくれてたらしい。そして俺は目を開けると、周りは真っ暗でいつも通り間借りさせてもらっている部屋だった。横に誰かいるのを俺は認識した。体を起こすと俺の横に居た人物は、俺が目覚めたのに気付いたのか俺の方を見てきた。俺の横に居たのは雅だった。正直意外だった。雅は俺が目覚めたのに気づくと突然涙目になり俺に抱き付いてきた。俺は突然の事で戸惑いながらも、彼女の背中に両腕を回し支えるように抱いた。

「君が何日も起きないから、もう起きないんじゃないかと思って私は・・・・」

「もしかして俺は大分気を失ってましたか?」

「五日間も気を失っていたんだ。心配しない訳がないだろう。」

「五日もですか。俺はてっきり戦ったのが昨日かと思っていましたよ。」

「相変わらず君はお寝坊さんなのだから、まったく。」

「すいません。」

五日間も寝たきりで何も食べてないのだから当然なのだが、俺の腹の虫が鳴いた。この展開前にもあったな。

「君は相変わらずだなぁ。今すぐ食べるものを用意してこよう。」

「すいません。」

そう言って、雅は部屋からでていった。俺が悪魔になった次の日にも雅は俺に料理を振舞ってくれたのだが、それがめちゃくちゃ美味かったのでまた食えると思うと嬉しい。そんなことを考えていると俺の部屋に爺さんが来て居た。なんで俺が目覚めたのが分かったんだよ怖いわ。

「姫さまが嬉しそうに台所に向かっていらしたので目覚めたのかと部屋に訪問させてもらいました。」

だからなんで俺の考えてることが分かるんだよ。怖いわ。

「わざわざありがとうな爺さん。」

「いえいえ、透殿には黒川家共々感謝しているんですから。」

「そうなのか?」

「えぇ。この前の対戦相手の方には使用人などにとても無礼なことをしていたのでね、皆さん手を焼いていたのですよ。」

「そうだったのか。まぁ簡単に想像できるのがまた面白いんだがな。」

「では、私は仕事に戻らせていたただきます。透殿まだ目が覚めたばかりですので、明後日から訓練再開といきましょう。」

「俺は明日からでも良いが、まぁ爺さんが言うなら従うよ。」

「それでは。」

「またな。」

そうして、静かに戸を閉めて出て行った爺さんの背中を見ながら俺はまた、ベッドに横になった。それにしても抜け目のない爺さんだよなぁ。見ただけで俺が体を起こすだけでも精一杯なのがわかるんだからな。あの人を追い越せる日は来るんだろうか。いまだに爺さんの能力もしらないし、爺さんと生死をかけた闘いをした場合多分爺さんにはまだ勝てそうに無いからな。まぁ俺も能力が目覚めたわけだし、明後日からは自分の能力についてもっと考えていこうかな。

「なんだか嬉しそうに笑っているがどうしたんだ?」

自分の能力の事を考えていると、料理を手にした雅が俺の部屋に来ていた。

「いや〜、自分の能力が発現したのが嬉しくてついですね。」

「それにしても君の能力は日本刀だったな。日本男児たるもの当然の資質なのかな。」

「そういうもんなんですか?」

「能力は十人十色だがやはり、生い立ちとかそのものの出身なども意外と影響すると言う噂みたいなのもあったりするんだ。まぁ、あくまでも噂の域をでない仮説なのだがな。」

「そんな噂もあるんですか。結構悪魔も噂とか作るの好きなんですね。」

「私は信じてなどいないがな。そ、そんなことより早くこれを食べたまえ。君のために作ったのだから。」

「そうですね、ありがたく頂きます。」

「そういえば、君は大学生だったな。」

「はい、そうですよ。」

「こんなに長く此方にいたら単位とか進級とか危ないのではないか?」

「やべ。完全に大学の事忘れてた。そろそろ戻らないとやばいですね。」

「それなら明後日くらいには戻ろうか。能力の特訓なら週末にこっちに来てからもできるからな。」

「有難うございます。来たばかりの時は、早く特訓終わらせて大学に戻ろうと思ってたんですけどこの家が居心地が良いもんですから、つい忘れてました。」

「き、君さえ良ければずっとここに居ても良いのだがな?」

なにやら雅がすごい小声で独り言を言っている。なんて言ったのか分からないので聞き返そうと思ったが、直ぐに別の話題を振られた。

「君が倒したあのクズのことだが、なにやら向こうの家の両親が一度私の所に来て頭を下げて謝罪されたよ。私に家庭での教育が甘すぎた。これからは厳しく育てて行くのでどうか、黒川家との縁を切らないで頂きたいとのことだ。」

「結局そこなんですね。黒川家との関わりさえ保てれば、雅を傷つけてたことなんてどうでも良いってか。貴族ってのはクソ野郎しかいないのか。」

「君くらいだよ、私を色眼鏡なしで見てくれるのは。」

「当たり前ですよ。俺は貴族が未だにいるなんて知らなかったんですから。」

「それもそうか。君はこの世界でも染まらずに生きて欲しいと思っているよ。」

母のような眼差しで、俺のこれからの成長を楽しみにしている雅をよそに俺は黙々と食事をしていた。やっぱり雅の作ったメシは美味い。そうこうしているうちに、食べ終わってしまった。食べ終わってからしばらくして、突然眠気が襲って来た。俺どんだけ疲れているんだよ。飯食って速攻で寝るとか牛かよ。

「食器を片付けてくるよ。」

そう言って雅は食器を持って俺の部屋から出て行った。もうこれ起きてられねぇわ。雅には悪いが睡魔に勝てそうにないなこれ。どうしようか。もう寝ようかな。うん、寝よう。ごめん雅、明日謝るわ。

えたりました。すいませんこれからボチボチ頑張ります。

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