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鮮血の姫君  作者: 芋けんぴ
4/6

レベルアップですよ

前回からの更新を早めに出来るよう頑張ってみました。それでは第四話どうぞ。

 俺の主人こと、黒川雅に教会の男達に襲われても撃退できるレベルにまでスキルアップしろと言われて俺はトレーニングに励んでいた。理由は分からないが俺は広大な敷地の一角にある道場で鍛えられていた。どうやらこの広大な敷地は黒川家の所有物らしい。これは雅から直接聞いたのだが、どうやら黒川家は悪魔の世界でも名門の貴族らしく、日本の悪魔の統括を行っているらしい。俺が考えていたスケールとは程遠い黒川家の実体だったのだが、どうやら雅はその黒川家の長女であり跡継ぎらしい。

 普通この歳で貴族の悪魔ならもっと眷属を持っているらしいのだが、雅は俺が初めての眷属だったらしく雅の家に行くとすごく歓迎された。この話もその時に雅の母親である黒川早苗から聞いたものだ。ただ、父親とは黒川家の方針とかの問題もあり、とても仲が悪いらしく、見合いなどの話を持ってこられても全て断ってきたらしい。そりゃ仲悪くなるよ。

 そんなこんなで、黒川家に招かれたわけだけど本命の俺のスキルアップが始まった訳だが、俺の相手をするのは黒川家に執事として、いる爺さんだ。雅は爺と呼んでいたが本名は小林宗矩(むねのり)と言うらしい。俺のトレーニングはどうやらいきなり実戦形式らしく、この爺さんの容赦の無さはズゴかった。道場の床に何回背中を付けたことか。

「これからよろしく頼みますよ透殿。」

「お手柔らかに頼むよ爺さん。」

「それは出来ぬ相談ですな。なにせ手加減はするなと仰せつかっておりますので。」

 トレーニング開始から三日目ようやく爺さんの攻撃に反応できるようになったのだが、やはり素人当然の俺には厳しかった。だが進歩はそれなりにしているものだ。反応できるようになったのは勿論のこと、爺さんに投げられても受け身を取れるようになってきたのだ。これには爺さんも驚いていた。俺なかなかやるやん。

「俺の体をもう少し気遣ってくれてもいいんじゃないか?爺さん。」

「この程度で弱音を吐くなんて日本男児らしくないですよ。」

「そんなこと言われてもなぁ〜。初心者には厳しいよ。」

 トレーニング開始から一週間が経った。俺は今では爺さんの攻撃を回避できるようになったのだ。これは人類にとっては一歩も進んでないが、俺的には100メートルくらい前に進んだといえるだろう。ただ爺さんの攻撃を回避できても俺が全く攻撃できてないということが問題らしく、今後は俺の攻撃面に関してのトレーニングをしていくらしい。あと、固有能力の発現の方も明日からしていくらしい。ただ俺には一つここで疑問が生まれた。俺の単位ヤバくね?ここまでまる一週間休んでいたのだが、俺の単位がとにかくやばい。一週間ならまだしも、これが一ヶ月も続くのなら俺の大学生活は途端に終わりを告げてしまう。そんなのは嫌だ!もっとキャンパスライフを満喫したい!そこからの俺のやる気は凄まじかった。

 トレーニングから半月、等々爺さんと対等に組手をできるレベルになったのだ。爺さんは俺を育てるのが楽しくて仕方がないのか、俺がどんどん爺さんに追いついていくのを実感する度に爺さんはテンション高めだった。能力についてだが、こちらは雅に見てもらっているのだが全くと言っていいほど進展がない。なんら能力がどの部類であるかすらも分からないほどなのだ。

「透殿この半月で見間違える程強くなられましたの。爺も嬉しくて少々昂ぶってきましたぞ。」

「お陰様でだいぶ組手の相手もできるようになったよ。ありがとな爺さん。」

「いえいえ、これが私めの仕事ですので。」

 トレーニングから一月が経った。俺の近接格闘能力はだいぶ磨かれたらしく、爺との組手も今は休止中だ。休止にした分の時間は俺の能力の発現に使われている。能力の方はあれからというもの全く進展がなく、雅は呆れている。爺さんは俺の能力がいつ発現するのか凄く楽しみそうにしている。俺はと言うと、とても焦っていた。気がつくと一月経ってしまっているのだ。そりゃもう焦る焦る。

 トレーニングをしていると黒川家に来客があったらしく、その来客とは黒川家と代々関係のある名家らしい。その来客は用事を済ませたのだろう、暇になったのかは知らないが突然俺らの様子を見にきたのだ。

「おいおい、これはなんかの冗談かよ。あの雅に眷属ができたのか。これはめでたいなぁ〜。」

 なんかいきなり煽ってきてコイツはなんなんだ。

「あいつはどこの家のもんだよ。」

「彼はどこも属していないわよ。」

「嘘だろ?等々落ちぶれたもんだな雅。黒川家の恥さらしとはまさにコイツの事なんだろうなぁ〜。主人が不出来だと眷属も大変だよなぁ?」

「あぁ、確かに大変だよ。我儘だし、お嬢様だし、行動が奇抜だし、俺の単位の事考えてくれてないし、そりゃぁ、もう最悪だよ。でもな少なからずお前よりはマシだよ。」

 俺は思わず、横から口を出してしまい喧嘩を売ってしまった。まぁあれだけ言われて黙ってられる方がおかしいよね。俺よくやった。

「あぁ?なんだよお前平民のくせによぉ〜。」

「逆に貴族ならなんでもしていいんですか。そうですか凄いですね、貴族ってのは。ただ俺の知ってるもう一人の貴族は、もっと謙虚だけどな。」

「お前俺に楯突いたこと、後悔させてやるからな。あしたの午後四時またここに来る。俺がお前に貴族に歯向かうとどうなるかってのを教えてやるよ。最悪死んでも文句は言うなよ、雅。お前の眷属が悪いんだからな。」

「えぇ、構わないわ。爺ばかりでちょうど彼も退屈してたんじゃないかしら。」

 そんな事はないですけどね。あと、やめてあげて爺さん少し悲しそうだから。

「構わないぜ。」

 内心やっちまったと思いながら、後悔はしていないのもまた事実。明日の事は明日の俺に任せようかな。今日は取り敢えず、明日の為にもう寝よう。キャンパスライフの為にも明日の俺頑張れ!

爺さん以外の実戦は次回が初めてな訳ですが、あの貴族の男はとことんクズなやつにしていくのでよろしく!次回もできれば更新ペースは早めでいきたいと思います。しばし待っていてください。それでは次の更新で。

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