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1・勇者アーク

唐突なルート0


もしユウヤが呼ばれなかったら。

もしアークが勇者で、最初から最後までシャオたちと一緒だったら。


ユノがこの世界に来る必要がないため出てこない。

寝取られ要素ゼロ、新キャラ予定あり。

恋愛要素多め、ハーレム予定。


順番的に【route 1】の3話が第一話として、この話は第一話とします。


もっと描写を細かくして書きたいと思います。

最近、寝取られ物ばかり書いていたので、勢いで書きました。


完全なタイトル詐欺ですが、よければお付き合い下さい。

 

 大聖堂に集まったのは、80人ほどの子供達だ。

 10~20歳までの少年少女が集まり、《スキル降臨の儀式》を今か今かと待ち構えている。


 「く、ふぅぅ……。ローラ、緊張するなよ?」

 「兄さんに言われたくありませんね」


 ローラはクールな瞳で大聖堂の祭壇を眺めてる。


 「はぁぁぁ……。ファノン、落ち着いて。深呼吸よ」

 「あはは。お姉ちゃんがしなよ~」


 よし。シャオも同族だ。安心したぜ。

 《スキル降臨の儀式》は、この大聖堂の司祭によって行われる。

 司祭が代々受け継ぐスキル、《スキル降臨》の力で、俺たち1人1人に《女神アスタルテ》より贈られる《スキル》を覚醒させるのだ。


 「来た……!!」


 俺たちの前に、大司祭が現れる。

 年相応のオッサンで、柔らかな微笑を称えたまま告げる。


 「では、名を呼ばれた者は前へ。アーク!!」

 「は、はぃぃっ!?」


 しょっぱなから俺かよ!? 返事っつーか疑問符みたいな声が出ちまった!!

 大注目を浴びながら前に出る。やばい、心の準備が。

 俺は大司祭の前で跪く。


 「さぁ、目を閉じて……。《スキル》に心を委ねなさい」

 「……」


 俺の中に何かが流れ込んでくる。

 温かく、優しく、まるでぬるま湯みたいな何か。

 

 大司祭の手が淡く発光し、跪く俺の頭に触れた。


 「《女神アスタルテ》よ、彼の者に聖なる《スキル》を賜らん……!!」


 ドクンと、心臓が高鳴った。

 そして俺は理解した。



 【ルート4】**********************



 「目覚めし《スキル》……『勇者』なり!! へ?」

 「へ?」


 大司祭と俺はマヌケな声を出した。

 勇者?

 なにそれ、美味しいの?


 「………」

 「………」


 「「「「……………」」」」


 

 大聖堂は、静寂に包まれた。



 **********************



 「ゆ、ゆうしゃ?」

 「勇者……勇者だって!?」

 「お、おい、その少年……勇者って」


 ザワザワと周囲がどよめき、俺は大司祭を見た。

 だが、大司祭も唖然とし、なんのアクションも起こさない。

 

 「あ、あの……」


 俺はどうしようか迷ったが、とりあえずシャオたちの傍へ。

 そこには、驚きで俺を見る幼馴染み姉妹と義妹が居た。


 「ははは、勇者だってさ」

 「に、兄さん……嘘ですよね?」

 「いや、大司祭のスキルだぜ? 間違いなんて……あ、次はシャオの番だぜ」

 「え、あ、うん」

 

 シャオは取りあえず大司祭の傍へ。

 大司祭も意識を取り戻したのか、俺の勇者はなかったことにされた。


 「目覚めし《スキル》……『斬姫王』なり!!」

 「え……」


 シャオのスキルは、大昔に存在した最強の剣士の使っていた《スキル》で、かの『勇者』の仲間として名を残した剣士の《スキル》らしい。

 もちろん大聖堂は混乱し、シャオは呆然としていたが、フラフラと俺の傍に。


 「お、お姉ちゃん。スゴい……」

 「あ、ははは……」

 「な、なぁ、これって夢か?」

 

 シャオは乾いた笑いを出し、俺はこれが夢かと思い始めていた。

 そして、ファノンの番が来た。


 「目覚めし《スキル》……『神弓の担い手』なり」

 「う、うっそ~……!?」


 ファノンの《スキル》もとんでもなかった。

 こちらも『勇者』パーティーの一員であった弓士のスキルで、百発百中の命中精度を誇る最強の弓士の称号だそうだ。


 「あ、あ~くぅ~……」

 「おぉ、よしよし」

 「に、兄さん。ファノンまで……」

 「こりゃスゴいなんてモンじゃないな……」


 かつての『勇者』パーティの《スキル》が2つも現れるとは、これは偶然なのだろうか。

 俺の中に一抹の不安がよぎった。


 「ローラ、お前……」

 「兄さん? それはフラグですよ」

 「……いや、その、スンマセン」

 

 ここまで来ると、やっぱそうだよな。


 「次の者……ローラ」

 「はい。……行ってきます、兄さん」


 ローラが微笑み、祭壇に登る。

 そして、やはりイヤな予感は正しかった。


 「目覚めし《スキル》……『大魔術師の知識』なり」

 「……ありがとうございます」


 案の定。ローラも『勇者』パーティーの《スキル》だった。

 伝説の魔術師が使った《スキル》で、この世の全ての魔術を使用できるという能力だ。


 「……」

 「やっぱそうか、うん」



 これで、俺たち4人は伝説の《スキル》を手に入れた。

 


 **********************



 そして儀式が終わる。

 スキルをもらい、みんな満足して帰る中、俺たちは迷っていた。

 

 「な、なぁ、帰っていいのか?」

 「さ、さぁ……」

 「ねぇ、わたしお腹へった~」

 「ファノン、チョコならありますよ」


 ローラがポケットからチョコを取りだしファノンへ渡すと、ファノンは美味しそうにモゴモゴ食べる。

 その様子を見ながらどうしようか悩んでいると、やっぱり来た。


 「いた!! ちょっと待ってくれ!!」


 大司祭が、騎士らしき人物を連れて来た。

 帰らなくてよかった……のか?


 「勇者様……ですか?」

 「えっと、そうみたい……です」

 「……間違いありません。私の《鑑定》でも、この方は《勇者》という結果が出ています」


 騎士と一緒に来たのは、どうやら《鑑定》のスキルを持った人みたい。

 その人は、シャオたちも鑑定すると、涙を流し始めた。


 「お、おぉぉ……まさか、伝説の勇者パーティーが揃うとは……」

 「あ、あのー」

 「泣いてますね……」

 「ねぇ、帰っていい~?」


 シャオたちもどうしていいのか分からないみたい。

 でも、勇者ってことは……まさか。



 「伝説の勇者パーティーの皆様、このまま城へお越し下さい。陛下がお会いいたします」



 ま、そうなるよな。


ここから先の物語は、完全な自己満足です。

寝取られを目標とした物語から外れます。

別作品でやろうと思いましたが、思い入れのあるこの作品で書くことにしました。


どうか皆様、最後までお付き合い下さい。

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お読みいただき有難うございます!
脇役剣聖のそこそこ平穏な日常。たまに冒険、そして英雄譚。
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