希望とは一体何か?
気楽に読んでいた抱けると嬉しいです。
瞼を開けると、大量の光が体を巡り体温をあげ
生暖かい空気に包まれる
都会のビルの間にあるアパートで、窓は締め切っているのに、蝉がうるさくて
大学生用の狭くて薄暗いワンルームにうんざりする
そんなことを、起きてほんの一瞬で考えた後、
また、遅刻している事に気づく。
いつもの事なので、急いで用意もせず、
とりあえず
昨日飲まず仕舞いで友人が置いていった
缶ビールを開けて、胃に流し込んだ。
5度目の着信に気づいたのは、缶ビールが後一口の所だった。
携帯を開いてみると、「着信5件 徳田靖友」と表示されている。
靖友とは、高校時代からの親友で
毎日くだらない事で、バカ笑いしたり
クラスの好きな女の子の話で盛り上がったり、
よくある、クラスにいる常に一緒に居た奴だった。
お互い別の大学に進んでからは、1年に1回くらい連絡取る程度で、最近の近況を話して、実現されない、あそびの約束をするくらいの関係になっていた。
ピッ「ごめんごめん、寝ぼけてて気づかなかった、久しぶりどうした?」
「真っ昼間にのぼけてるたか、大学生はいい身分だな。羨ましいよ」
「まぁね、ほぼ単位も取り終わってるし、今はバケーションって感じかなー」
「ふっ ワードが古いわ。」
「古い言うな!逆に新しいよ!」
「お前は相変わらずで安心したよ。」
「なんだよ、しんみりして。靖友らしくないな」
「あのな、多分お前、Facebookもやってねーし、東京行ったからしらねーと思うんだけど..」
「うん。どうした?」
「椋ちゃんがよぉ ゔ」
電話の向こう側では、いつもハキハキ話す靖友の声がどんどん弱まっていくのがわかる。
「おぉ?どうした どうしたよ!
あっ、また椋ちゃんと好きな女の子のタイプの話で喧嘩になったんだな〜」
俺は靖友の話を聞いたあと
携帯から聞こえる、靖友の泣き声と静かな部屋で、どれぐらいか忘れたが、とにかく一瞬の長い間立ち尽くした。