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人手不足5

とりあえず一旦別れたが、今日はまだ時間がある。暫くは青海さんやあの3人に気が付かれないように気をつけて後ろをつける。例え言えたとしても、はいそうですかと、納得はしないだろう。都合の良い人物というのはある意味で得難いものなのだから。


「周りを見渡してる。3人を探しているのかな?」


「なぁ、別にこんなコソコソしなくてもいいんじゃないかな?せめて、青海さんには伝えてもよかったような」


「バーカ!だからテメェは直家なんだよ」


「おい!直家って悪口じゃねぇぞ!」


「ちょと、直家くん静かに。バレたらどうするの。それに、猿吉君が言っていることは青海さんが自分の口で1人、言うことに意味があるんだよ。親のように後ろで見守っているなんて聞いたら青海さんも嫌だろうし、そんな結末は彼女も本意ではないだろうから」


「……分からなくもないけど。3人で固まって動くのは辞めた方がいいんじゃない?バレやすいし、何より目立つ…」


そう言って周りを見渡してみる。青海さんは先に村に帰ったはずの3人を探すので手一杯で気が付いてはいないが、直家達が変に腰をかがめて三人固まって1人の女性、青海さんを見ているのでかなり怪しい。というか、さっきから目を合わせると逸らされる。何かヤバイ集団だと思われているだろう。


「……じゃあ、どうするよ」


「纏まらないでバラバラに行動しよう。そうしたらまだ目立たない」


「確かにこの状態は目立つね。別れようか。それぞれ独自の判断で尾行しよう」


この会話だけで、世が世ならストーカーとか言われて捕まっているだろうな。まさか異世界に来て女性を尾行する機会が来るとは思いもしなかった。


「合流地点はいつも泊まっている宿屋で、時間は日が完全に落ちる頃。それでいいかい?」


「じゃ俺は、ほかの場所に移らせてもらうぜ。もっといい所があるんでな」


何だかんだで言ってこういう尾行とかバレないようにとか、猿吉は好きなのだろうか。さっきら妙にウキウキしている。青海さんが気になるというよりそっちの方が強いだろう。あまり乗り気でないから大丈夫かな?と思ったがどうやら真面目にやってくれそうだ。


「じゃあ、ここは長貴に任せて俺も移動するよ。他の場所で見張っている」


「わかった。じゃあまた宿屋で」


そして、直家も離れる。正直あそこは長貴は気にしないがあまり隠れられていると言い難い場所で青海さんからは見えないが、他の人には見える場所だ。他人の目が痛い……。


「さて、どこに行こうかな…」


一刻も早くあそこから抜け出したくて場所を移すといったが場所なんて考えてなかった。開拓地側の門は広場になっていて身を隠す所がまず少ないのだ。猿吉はどこに隠れたのであろうか?


「あ、いた」


なんて考えて適当な場所を探している時に見つけた。というか、上見たらいた。猿吉は屋根に登ってそこから顔だけ出して見ている。この世界の木造の建物は基本高く、屋根も高い位置にある。なので、上を見なければバレはしないのだ。逆に言えば上を不意に見られればバレてしまうわけだが。悪くは無いだろう。他人と話している時にふと上を見ることはあまり無いだろうから。しかし、家の持ち主にバレたら怒られそうだけど。


「うーん、どうしようかな」


とりあえず、商店の中に入ったり色んな店を冷やかして時間を潰す。青海さんは見えないがあちらからも見えないだろう。見えたとしても1人で買い物をしているとしか思わないだろう。時折目を向けるだけでいい。見失うことは無いだろう。


「お、合流したな」


遠目でだが青海さんが3人と合流したのが見て取れる。3人は青海の姿を見た瞬間に駆け寄り何かを話していた。


「ここからじゃ何にも聞こえないよな。当たり前だけど」


そろそろ開拓地に出ていた開拓者が帰ってくる頃で広場も騒がしくなっていた。声が拾えないどころかここからだと見失いそうな位だ。しかし、そんな中でも何を喋っているか大体想像がつく。何故なら、3人がよってたかって青海さんを責め立てているのがよく分かるからだ。


「………やっぱり、ろくな奴らじゃないな」


かなり大きい声で青海さんを糾弾しているためか、他の通行人にも目立っていた。何を話しているか気になるのでリスクを承知で少し近づいてみる。


「責任取れよ!テメェのせいで今日の稼ぎが無くなっちまったじゃねぇか!」


「で、でも、私1人だけ前衛で戦うのは無理があったよ?」


「お前が1番妖術ヘタだからだろうが!言い訳すんなよ!もっとお前が頑張っていれば勝てたのに!」


「わ、私1人を置いて皆逃げたのに?」


「ッ!この!青海の癖に!調子に乗んな!」


「まぁまぁ、いいじゃない。今日はこのくらいで」


「えー!でも、青海調子に乗ってるよ!いつもはこんなに口答えしないのに!」


「そうね。でも、私達仲間なのよ?いくら、青海が悪くてもこれからやっていく上で許す事は大事よ」


話は続いている。相変わらず反吐が出そうな内容だ。これだけやってまだ仲間と言っている。そういう扱いをした人を仲間とは言わない、もはや敵と同義だ。


別に仲間が崇高な存在だと言う気は無い。そういう事を素直に受け取れるほど、素直には育たなかった。幼少の頃から人の悪意の部分をよく見てきたのである。多少性格は曲がり、ひねくれた人間だった自覚はある。だから引きこもったとも言えるのであるが。しかし、この世界に来て人の善意にも触れた。たとえそれが打算込みの善意だとしても。それでも、あの関係は認めてはならない。仲間は奴隷ではないのだ。


ふと上を見上げる。猿吉はどう思っているのだろうと、この会話を聞いてどう思ったのであろうかと。猿吉は元いた場所にはいなかった。周りを渡して見ると屋根から降りてきて直家とは違う場所にいた。猿吉も話の内容が気になるのであろう。


猿吉はいつも通りであった。いつも通り怒っていた。眉間にシワを寄せ、多分舌打ちをしているのであろう。周りの人が迷惑そうに猿吉を見ていた。それを見て何処か少し安心した。


「でもねぇ、今回の損失は責任を取ってもらわないとね。やっぱり青海が悪いんだからその分は払ってもらわないと」


「えっ?わ、私が、払うの?」


っと、話はまだ終わっていなかった。どうやら今回の損失を青海さんが払えと言っているらしい。


「わ、私悪くないし。第一そんなお金ないよ」


「青海!私があなたのためにここまでやってやってるのに、何でそんなことをいうの!あなたこのままだと、私達に見捨てられるわよ!」


これが彼女達が出せる最高のカード。それに対し青海さんは何も言えなくなり従うしかなくなる。しかし今は違うのだ。


「……そうなってもいい。私悪くない、から」


「!?あ、ああ。わかったわ。お金が無いから自暴自棄になっているのね。大丈夫よ。仕事は私が用意してあげるから。じゃ、この話は一旦終わり。ご飯食べに行きましょ」


そのまま、その場から離れて4人が離れていく。どうするか、このまま追うか。しかし、一本道に入ったので後ろを振り向かれるとバレてしまう。どうしようか。


「おい!直家」


「うぉい!」


突然真後ろから肩に手が置かれた事に驚き変な声を上げてしまった。誰かと思ったら猿吉である。


「気配なく近づくなよ……」


「そんなつもりねぇし、言外に俺の存在感がねぇっていってるだろ?」


「だから一々言葉の裏を取ろうとするなよ。それこそ、そんなつもりはないよ」


「っけ、どうだか。それでどうするよ?追うか?」


「そうだなぁ。追いたいけど、あの一本道入ったらバレるだろうからなぁ」


「んな事はわかってる。仕方ねぇか。まだ早いが一旦合流しよう」


そんなこんなで一本道に入ろうとする長貴を呼び止めて合流する。


「どうするよ?バレたら元も子もないだろ?今日は辞めるか?」


「うーん。そう、だね。あの会話を聞くと、少し心配だけど今から何かある訳ではなさそうだからね。よし、今日はここで切り上げようか」


「でも、今日は早く帰ってきたから時間が少し余ってるよ?」


「なら今日は少し早いけど僕達もご飯を食べに行こうか。ほかの通りで食べればバレないだろからね」


どうにも少し楽観的だ。時間がかぶればバレそうだけど……。でも、見つかったとしてもこっちはこっちで行動していれば別に不自然ではないだろう。


そして3人で食事をし、暗くなってから少し周りを捜したが見当たらなかったので宿に戻ったのだろうと思い、その日の尾行を切り上げる。


出来れば明日も尾行したいが、流石にこちらの稼ぎの問題がある。1日休めるほど、余裕がある訳ではない。なので、こちらはこちらで普通に開拓地に行くこととなった。















皆が寝静まった時間、朝井村のある一部屋にほのかな火の光に照らされながら話している人の影がある。一応、青海の仲間ということになっている三人であった。


「マジで腹が立つ!なに?青海の奴、何であんなに今日は頑なの?」


「流石に怒った?そんなわけないか。今までも似たような事やっても笑ってたし、気持ち悪く」


「じゃあどうする?ここで、きつくお灸を据えとく?」


「何をするの?」


「ほら前に、計画立てたじゃない」


「あー、アレ?やるの?」


「名目はあるわよ。青海が出した損失を埋めるって名目で」


「でも、それやったら本当に怒らない?」


「あんなの、1回やってしまえば後は抵抗しなくなるわよ。逆に簡単にお金が稼げて喜ぶかもしれないじゃない」


「かもね!案外ハマりそうだし!」


「じゃ、決定〜。明日早速払いのいい人を見つけてくるわ」


「リーダーも酷い事を考えるよねぇ。青海を男と寝かせるなんて」


「別に死ぬわけでなし、それでお金を稼げるから。青海には教えてないけど、あたし達はそれで荒稼ぎしたしね。貯金もあるし」


「バレて、村を追い出されたのは驚きだったけどねぇ。別にいいじゃない、少し位遊んだって。ねぇ?」


「だよぇ。こんなに簡単に稼げるのに勿体ない。青海にも覚えて貰いましょ。簡単なお金の稼ぎ方」


「使うのは私達だけどね!」


そう言って静かに笑う。そして、暫くしてほのかに光っていた蝋燭の火が消え、静かな暗闇に戻っていった。
















「ふう。少し疲れたな」


「っけ、相変わらず、体はでけぇのに貧弱な奴だな」


「だから、脚震えてるって」


声が震えなくなった分だけまだ、進歩しているのか?1番動いているのは本当だから体力はついていくだろうけど。


「今日はそろそろ休憩にしようか。安全な所まで下がって食事をとろう」


「賛成」


「貧弱な野郎だな。仕方がねぇな。やすんでやるよ」


「だから足が震えてるって」


そしていつも通りごく浅い層にもどり、そこで食事をとる。


「しかし、やっぱり少し気になるね」


「あ?稼ぎの事か?」


「違うよ。猿吉くんもわかっているでしょ?」


「さぁな。でもよ、気にしてもしょうがねぇだろ。」


「そうだけど、気なるものは気になるよ」


「どうしても気になるんだったら、探せばいいだろ?どうせ、あいつらもここら辺を狩場にしてんだから。探してできない訳じゃねぇだろ」


「それはいい考えだね!じゃあ午後はそうしようか!」


「えっ!本当に言ってるの?今日の稼ぎは?」


「もうノルマ分は稼いだでしょ?それに彼女が入ればもっと増えるんだし。何かあってからじゃ遅いからね」


「でも、何処にいるか分からないし…。村の中とは違って危険だじゃない?」


「危ないと思ったら引けばいいさ」


「なんだ、直家。ビビってのか?」


「………わかったよ。じゃあ、行こう」


場所は分からないがとりあえず今まで俺達が狩場としていたエリアでは1度もあった時が無いのでそこにはいないはずだ。なのでそこじゃない所、と言っても沢山ありすぎる。なので、前に青海さんもが逃げてきた方角に目星をつけて移動する。


「今考えると始めてくる所の土地勘が無いから大変じゃない?」


「んなこといってたら、何処にもいけねぇよ」


それはそうかもしれないが…。なんて、考えている中直家達と同じ若い男の2人組を見つけた。普通は3人が4人、多くても5人である。そんな中、2人というのは少ない。


「ほー、珍しいな。2人だけかよ。余程実力に自信があるんだろうな。装備もいいし。けっこう稼いでるな?」


「そうだね、でも、僕達が探している人達じゃないよ。他を当たろう」


この人達は今の俺達には関係の無い人達だと、次の発言を聞くまではそう思っていた。


「確か、此処で待ってろって言ってたよな」


「ああ、楽しみだぜ。青海って言ったか?あんないい女抱けるなんて楽しみだぜ」


「しかし、森の中かよ。ヤッてるときに襲われたらどうすんだよ…」


「贅沢言うなよ、お前がヤラねぇんだったら、俺一人でやるぞ」


「冗談」


今、青海と確かにそう言った。抱くとも言っていた。それはつまりそういう事なのだろう。


「おい、これは……」


「ああ、あいつらやりやがったな。ここまでやるか普通!」


「彼女達は普通の関係ではなかったよ。だからといって、許せる事ではないね」


幸いまだあの2人はまだ直家達には気がついてはいない。どうするか、聞き間違いの可能際もある。流石に、いきなり襲うのは良くないだろう。


「……あいつら殺っちまうか?ここならバレねぇよ」


「いや、ダメだよ。無闇に人を殺しちゃ。それに勝てるかどうか分からないし」


「じゃあ、俺が行って確かめてくるぞ。それで黒だったらどうする?」


「言って聞かないようだったら……。実力行使に出るしかないね」


「実力行使か、甘ぇな」


「甘い、かもしれないけど、間違っているとは思わない」


「そうかよ。じゃあ、行ってくるぜ。おい!直家は殺せるか?」


「やるよ。でも、戦わない努力はすべきだ。と思う」


ふん、と鼻で笑った猿吉。多分甘いと思われたかもしれない。だが、これが俺の考えだ、変えるつもりは無い。前に考えを言わないと言われたのだ。直家も少しづつ非難されてもいいから自分の考えを言っていこう。


「……それでいいんだよ」


「えっ?なんか言ったか?」


「なんでもねぇよ、ビビって殺し損ねられると困ると思っただけだ」


そう言い、2人組に近づいていく。何故かその顔は少し笑っていた。

書いていて多少無理があるなと思う、今日この頃。あんまり細かいこと言わないでくださいね。


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