第1話 2度目の世界
何かこう、アイデアがぐわーと降りてくれば良いいのに〔願望〕
すいません、現実逃避してました!∑(゜Д゜)
今後もよろしくお願いします
ふぅー、無事に転移出来たみたいだな
俺が転移した場所は、いくつもの白い柱が立って立つ広い場所で足下の大理石には教室で見たものと同じ魔法陣が描かれていた。
召喚の間、と言う奴だな。
次に周りを見れば、白いローブを着ていかにも私達が召喚しました、というような風貌の人間達が立っていた。おそらく宮廷魔導師かそれに次ぐ実力者達だろう。
ん?あの白いローブ、100年前に見た事があるような....。
「本当に異世界なのか?」
「嘘だろ....、こんなの嘘だ!」
「ぅぅ家に帰りたい」
異世界に転移した事を理解したクラスの連中が騒ぎ出した。
「マジ最悪」
「俺の能力弱過ぎ何ですけど….」
まぁ、誰もがこの異世界召喚に対して文句を言い、悲観的になっている。
その時、1人の男子生徒がクラスメイト全体に向けて叫んだ。
「皆 聞いてくれ!」
その一声でその場の全員の視線が男子生徒に集まる。
相変わらずのカリスマ性だな。
俺は素直に関心する。
あいつは、クラスのまとめ役で生徒会長の澤輝天明だ。
見た目は、茶髪の爽やか系イケメンだ。勉強も運動もいつも学年で上位に入っている。しかも人当たりが良い事から女子から絶大な人気を誇っている。
確か、ファンクラブ兼親衛隊があるとクラスメイトの話しで聞いた事がある。
「今の僕達の状況は僕も良く分からない。皆、不安で恐いと思う。だからこそ、まずは彼等の話しを聞いて見ようと思うんだ」
そう言って澤輝は、未だに此方に近づいてくる事はなく、俺たちを観察している魔導師たちを見る。
「大丈夫、皆は僕が護る!だから、僕を信じてくれ!」
「澤輝お前って奴は....」
「俺は天明を信じる」
「澤輝君が言うならしょうがないよね」
「「「「澤輝君、カッコ良いー!!」」」」
「現れたな、澤輝親衛隊....」
「う、羨まし過ぎる」
「モテ男爆発しろ!」
澤輝の言葉に皆に明るい雰囲気が戻って来た。まるで、勇者に励まされた民衆が未来に希望を見つけた、物語の一部シーンを切り取って来たかのような光景だ。
まぁ、後半は唯の男子生徒の嫉妬に聞こえたけどな。
その時、召喚の間の1つしかない重そうな扉が開かれ大勢の騎士と高貴な雰囲気を漂わせる少女が入って来た。
騎士たちの鎧は、全員が統一されておりフルフェイスなので顔までは分からない。腰には西洋剣を帯びている。動きを見るだけで全員が手練れの騎士だと分かる。
海堂たちのような紛いものとは格が違う。
そして、統一された白を基調とした鎧を見てこの国が何処なのかやっと思い出した。
よりによってこの国に召喚されたのか.....。
俺は顔を顰めそうになるのを必死に抑え込む。
そうこう考えているあいだに少女が澤輝を筆頭にしたクラスメイトの前までやって来た。
もちろん、少女を直ぐ護れるように背後には騎士がズラリと並んでいる。
その威圧感にクラスの数人が息を飲む音が聞こえた。
「お初にお目にかかります。私はシャルティア・エール・リム・エスティファムと申します。この国、エスティファム聖王国の第一王女でございます」
シャルティアと名乗った少女の言葉を聞き、クラスメイトがざわつく。
地球では聞いた事がないエスティファム聖王国と言う名前にか、背後の騎士の迫力にか、第一王女の美貌のどれか、又はその全てなのかもしれないが俺の知った事ではない。
問題はこの国が、俺の予想通りエスティファム聖王国だったという事だ。
「もう既にお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、この世界は皆様方のいた世界とは異なる異世界でございます」
現実を突きつけられ泣き出す女子が数人いた。
近くの者とそれぞれが勝手に話す所為で、この場が騒がしくなっていくのを背後の騎士たちの殺気で黙らさせられた。
「我が国の騎士が失礼しました。詳しい話しは陛下が自ら行いますので、私について来て下さい」
王女はお願いしているつもりなのかもしれないが、今の状態でのその言葉は命令にしか聞こえない。
それを理解しているのか、澤輝は誰にも相談する事なくクラス全員に聞こえる声で言った。
「皆、行こう」
澤輝の声に従いクラスメイトが移動を開始した。